HISの旅行企画に「セクハラ」の声が殺到!即日中止に

2016/05/13 05:30


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とある旅行会社の企画が、炎上してしまった。

その会社の名は『エイチ・アイ・エス』。今や誰もが知っている企業名だが、満を持して発表した企画が「セクハラではないか」という非難を浴びたのだ。


■女子大生とラブラブ旅行ができる?

エイチ・アイ・エスが写真誌『東大美女図鑑』とのコラボで企画したのが、「女子大生と一緒に旅行しよう」というものだった。平たく言えば、女子大生が行き先までの飛行機内で隣の座席に座り、利用客に接待するという内容である。

もっともこれは男性限定というわけではなく、子供連れの場合は「女子大生が子供に夏休みの宿題を教える」というオプションも付いていたようだが、ともかくこれが「ホステスみたいで気持ち悪い!」と指摘されてしまった。

中にはホテルまでの接待を期待するツイートもあり、同社にとっては大きなイメージダウンになった。


■業界好調の波の上で

さまざまな意味で話題になったこの企画は、当然ながら即日中止になった。これはエイチ・アイ・エスの勇み足とも言える。というのも、現在日本の旅行業界はインバウンド、アウトバウンド共に絶好調だからだ。

日本のテレビニュースでも中国人観光客の増加の話題は報道しているが、じつは東南アジからの旅客も急増している。これは日本政府が各国に対して観光ビザ免除政策を行ったことがきっかけになっている。

ASEANの中でもタイ、マレーシア、インドネシアの3ヶ国からの旅客がとくに目立つ。エイチ・アイ・エスはこれらの国々にもすでに進出していて、都市部を中心にその店舗数を拡大させている。


■手痛い勇み足

また、インドネシア人旅客に対する観光ビザ免除は、二国間の相互政策でもある。インドネシアの現政権は、国内の観光整備に力を入れている。日本からの旅客増加を狙い、観光目的の場合のアライバルビザは免除されることとなった。

さらにLCC(格安航空会社)の路線の充実化で、海外旅行のハードルが一段と低くなっている。今や国内旅行も海外旅行も、かかる費用にほとんど差はない。旅行業界にとって、両輪ともに絶好調の今は「稼ぎ時」である。

此度の東大美女図鑑騒動も、そうした時代の流れの上で起こったことだ。日本の旅行業界は今、「飛ぶ鳥を落とす勢い」と表現すべき状況。だがそれ故に、自らの勇み足に気づかないということもある。

こうした珍騒動にも、非常に複雑かつ奥深い背景が存在するのだ。

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

旅行取材
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