伊勢志摩サミットが日本にもたらす「緊張」と「商機」
今月26日から開催される伊勢志摩サミット。これは恐らく、日本史上最大の「外交イベント」になるだろう。
会場に来るのはG7の首脳だけではない。同時期に拡大会合も予定されていて、そこにはパン・ギムン国連事務総長、ASEANやAUの議長国首脳、そしてIMFやOECDといった国際機関の専務理事も参加する。
環境相会合、科学技術相会合などもすでに実施され、しかもアメリカのバラク・オバマ大統領はサミット後の広島訪問を明らかにした。
しかし、一方で懸念点もある。それは、「もしテロリストが連続爆破テロを実行したら?」というものだ。そうなったら、国際社会は未曾有の大打撃を受けるに違いない。
■違法ドローンは破壊できる
テロを防ぐため、我が国の政府はさまざまな手段を打ち出している。その第1弾は3月に制定されたドローン規制法だ。これは重要施設や外国の要人がいる場所の上空で小型飛行機を飛ばす場合、当局の許可を得なければならないとする法律だ。
もっとも国土交通省が一般市民のドローンに許可を与えることはまずないから、これは事実上の「ドローン禁止法」である。もし違法ドローンが飛行していた場合、それを破壊することができる旨も法に記載されている。
また、このときから全国で対テロ訓練が盛んに行なわれるようになった。日本では今まで、こうした訓練は「むしろテロリストを刺激する」「街中で戦争するのか」という意見が障害になりなかなか実行できなかった。
だが、もはやそうも言っていられなくなったのだ。
■頻発するテロ事件
インドネシアの首都ジャカルタで今年1月に発生したテロ事件は、日系社会にも多大な衝撃を与えた。
日本とインドネシアは、どちらも銃規制が厳格な国である。インドネシアで銃のライセンスを取得する場合は、地元の警察署長に直接掛け合いサインをもらう必要がある。費用もかかるため、一般市民が銃を所持することはほとんど不可能だ。
にも関わらず、ジャカルタの中心部で連続テロが発生した。犯行グループは爆弾を炸裂させた上、拳銃で市民を攻撃したのだ。テロリストはあらゆる手段を使って都市を破壊しようとする。パリやジャカルタ、アントワープの事件が日本の警察関係者に与えた衝撃は非常に大きい。
■警察官向け商品を販売
一方で、警察官を対象にしたこんなビジネスもある。コンビニ大手のセブン-イレブンは今月10日から、三重、愛知、岐阜の三県で伊勢志摩サミット記念商品の販売を開始した。三重県の幸を使った『三重味わい幕の内弁当』や『和風あおさスープ』など、合計4点の食品である。
これはそもそもサミットの警備任務に従事する警察官のために開発されたそうで、すでにその提供が実施されている。
このように、サミットは我が国に緊張をもたらしているのも確かだが、同時にまたとない商機を与えてくれているというのも事実である。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)