「夜の営み」が通じない時代に? 生活サイクルと深い関係が…

「夜の営み」は通じない言葉に…?

2016/05/19 19:00

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仕事の時間が不規則なため、生活のリズムが定まらない俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。電車を寝過ごさないことが、最近の目標になりつつあります。

このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。


■時間帯と人間の行動

人間にはふたつの生活サイクルがあります。それは「」と「」。 ざっくり言えば、お日様が出ているか出ていないかで区別されている、この「時間帯」。

あの名作RPG「ドラゴンクエスト」にも「ラナルータ」という「昼と夜を入れ替える呪文」が存在するほど、「昼であるのか、夜であるのか」は、人間の行動に影響を及ぼしています。


■営みという言葉

「営む(いとなむ)」というのは、そもそも、なにかに一生懸命励むという意味の言葉で、「営業」であれば「業務に励む」、つまり仕事を頑張るという意味なのですが「夜の」をつけた途端に、エッチな感じがしてきます。

「なにかに励む」という意味であれば、「夜の営み」は、「コンビニの夜勤を、全力でやり遂げる」でも意味は通じるはずなのに、なぜ「夜の」は、こうまでもエッチな印象になってしまったのか。

それは、「ついこの間まで、夜はエッチなこと以外にやることがなかったから」ではないのでしょうか?


■おもちゃの意味が…

IJzendoorn/BananaStock/Thinkstock
IJzendoorn/BananaStock/Thinkstock

「大人のおもちゃ」だって、現在ならば、高額で未成年には購入が難しいPS4をそう呼んでも違和感はないはずですが、もっぱらエッチな意味で使われます。

黒電話がガラケーになり、スマホになるまでに約20年。 夜、エッチなこと以外することがなかったのが、50年前ぐらいでしょうか?

それでも未だに「夜の」と、つけばエッチな想像をしてしまうのは、言葉の世界では50年前が「つい、この間」だからなのでしょう。 今は電気があるので、昼だって営めるし、夜だって働けます。

「夜の大人の営み」という表現が、通じなくなる日も近いのかもしれません。

(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹

(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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