女子刑務所の派遣隊員が明かす「監獄のリアル」

2016/05/21 06:30

ferlistockphoto/iStock/Thinkstock
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刑務所の中。決して一般的には身近でない場所である。ドラマや漫画などのフィクションで描かれることはあるが、本当にそうなっているのかはわからない。

謎に包まれた場所の実態は、その中で働く人に聞くのが一番だ。しらべぇ取材班は刑務所の警備隊員である20代女性に話を聞いてみた。



 

■そもそも警備隊ってどんなお仕事?

「刑務官のお手伝いをするのが警備隊のお仕事。基本は刑務所の巡回です。監視カメラのモニター越しに受刑者の行動を逐一チェックします。


違反行動をしていないかの見張りです。違反行動は、許可している時間外の私語をしていないか、白髪を抜いていないか、受刑者同士でモノの貸し借りややりとりをしていないか、など。


受刑者はグループにわかれて作業しています。そのグループ内での私語は許されていますが、他のグループとの交流は一切許されていません。雑談の際に刑務官の悪口を言っている場合は上に報告します。


監視の他は、受刑者のタグの点検ですね。顔写真と名前、あとランクが記されています。ランクは模範囚であればあるほど高くなります。ランクが高いと、より多くのお菓子を食べる時間が儲けられるなど、メリットがあります。


基本24時間勤務で、キツいときは月に休みが3日の時もありました。休憩は4時間で、この間に仮眠をとります。年齢給なので、どんなに仕事ができても若いうちは給料が安いです。逆に新人でも高齢者は高級取りです」


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■受刑者はどんな人が多いの?

「はっきり言って、あまり頭がよろしくない人が多いなと思います。あと置かれていた環境が酷い人が多い。たとえば、義理の父親にヤラれてて我慢の限界が来て殺したとか、外国人の義父にDVされてて妹が海外に売り飛ばされそうになったから殺したとか。


男に貢ぐために会社の金を横領した人もいました。覚醒剤もたまにいますね。一度、驚いたのが彼氏が覚醒剤中毒で、それを辞めさせるために一度自分がやってみせてから、やらなくても大丈夫ってみせようとしたらハマッちゃった人がいました」


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■受刑者がトラブルを起こすことはある?

「基本的に大人しい人ばかりです。たまに反抗的な受刑者もいますが、大暴れするようなことはありません。でも、レズカップルが生まれたことはありましたね。もちろん許されるはずもありませんので、それぞれ違うグループにわけました。


受刑者たちは3食タダ飯を食ってるだけですからね。お菓子やアイスを食べる時間もあって、病気になったら診察してもらって手術もしてもらえて、元の生活が悪辣な環境であればあるほどいい生活をしていると思います。


まあ、私は絶対に受刑者になるのはごめんです。携帯をいじることもできないし、好きなものも食べられませんし、恋もできない。人生を棒を振る行為でしかないですからね」


刑務所の中と聞けば、最悪マッドマックスや北斗の拳のような暴力に飢えた人々が暴れ続けている可能性もあると危惧していたのだが、実際は物静かな場であるようだ。

とはいえ決してお世話になりたい場所ではない。

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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ

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