もうアカン…「冷やし中華はじめました」の将来に暗雲
季節は初夏。今年の立夏は5月5日だった。これからの時期、食べたくなる麺類といえば「冷やし中華」だ。
早々と店頭に掲げられた「冷やし中華はじめました」の告知に誘われ、もう食べた人もいることだろう。
■「もう食べた」4人に1人
アンケートサイト「マインドソナー」を用いての調査によると、既に「この夏、冷やし中華を食べた」という人の割合は約26%。4人に1人が当てはまる。
麺類だけでも「そば」「うどん」「ラーメン」「そうめん」などの競合が並み居る環境をものともしない立派な数値だといえよう。
■女性は敏感「3人に1人」
男女別では、女性の摂食率が約33%と、男性に比べて10ポイントほど高い。一般的に、流行に対する男女別の感度は女性のほうが敏感で高いとされるが、冷やし中華でも同様の傾向にある。
もうひとつ、時期や数量を限った「限定商品」に飛びつく傾向も、一般的に女性のほうが顕著だとされている。
「冷やし中華はじめました」の張り紙は、より女性を意識した掲出を心掛けてみると結果につながりそうだ。
■若者の「冷やし中華離れ」
一方、年代別では20代の若者の摂食率が低い。30代以上が軒並み25%を超える一方、20代ではわずか7%ほど。10人に1人へ達しない低調ぶりである。
つまり、夏の到来を待ちかねるように「冷やし中華はじめました」とあおり立てても、若者にはほとんど響いていないということなる。皿の上へ積極的に取り入れた季節の彩りや味わいを目と舌で楽しむという和食ならではのセンスは、もはや失われつつあるのかもしれない。
ただし年代の数字が大きくなればなるほど摂食率の数値も大きくなる傾向には期待が持てる。現在、20代の若者もいずれ年齢を重ねることで、「夏や!冷やし中華や!始まっとるがな!」と、いち早く飛びつくようになってくるかもしれない。
なお冷やし中華が和食かどうかは、意見の分かれるところではある。
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(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)