オバマ広島訪問に振り回される報道陣 合言葉は「ケツカッチン」

(画像はニコニコ生放送のスクリーンショット)
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日本時間2016年5月27日17時、第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマが広島の地に降り立った。大統領が乗るマリーン・ワンは、4機のオスプレイに護衛されながら、岩国基地から広島のヘリポートにたどり着いた。

現職の大統領が被爆地、広島を訪れるのは初めてのことであり、今日という日は間違いなく、日本の歴史の1ページに刻まれるであろう。

(画像はニコニコ生放送のスクリーンショット)
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■「強行軍」なスケジュール

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彼の広島訪問の影響で、此度の伊勢志摩サミットは、各国首脳にとっても報道陣にとっても非常にタイトなスケジュールの下で行なわれた。

26日に賢島でサミットが開幕したかと思えば、翌日の午後には広島へ向かう。しかも、安倍晋三総理大臣の場合は、広島の直後に名古屋での各国首脳会談もある。まさに「強行軍」とも表現できる過密日程だ。


■1日目が終わった途端……

サミット報道の中継拠点である国際メディアセンター(IMC)は、1日目と2日目では報道陣の顔ぶれが違う。

1日目は、テレビで毎日見かける「あの人たち」が片手にマイクを持ち、IMCを駆け回っていた。わかりやすいニュース解説で知られる池上彰氏も、ここを訪れている。

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ところが翌2日目になると、日本の大手メディアの存在感は薄れてしまった。代わりに新興国のメディア関係者が多く見られるようになる。これはサミット2日目に、新興国首脳も交えた拡大会合が催されたからだ。

だが拡大会合とオバマ大統領の広島訪問とでは、やはり後者のほうがニュースバリューが大きい。大手メディアのスタッフの大半が、26日中に伊勢から広島へと飛んでしまった。

「オバマ大統領のおかげで、報道各社のスタッフは『ケツカッチン』という状態になっています。1日目が終わったら、ベテラン記者は早々に撤収して新幹線に乗ってしまいました」


サミット会場の運営スタッフは、しらべぇの取材にそう応じた。


■サミットは「前哨戦」!?

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じつのところ、伊勢志摩サミットは「オバマ広島訪問の前哨戦」というような雰囲気になってしまった感がある。

現実問題、日本人にとって英仏独伊加の首脳はアメリカ大統領よりも「小さい存在」だ。日米を除いた5ヶ国のトップが束になったところで、オバマ大統領1人がもたらすニュースバリューには勝てない。

それに加え、広島市という土地が持つ「重み」も当然存在する。ここは人類史上初めて、核兵器が実戦投入された場所だ。その悲劇が示す意味合いを、オバマ大統領はこれから噛み締めようとしている。


■公表されないスケジュール

また、ここでも案の定「スケジュールの秘匿」がジャーナリストを悩ませた。

「オバマ大統領が平和記念資料館を訪れる」のは、以前よりわかっていた。しかし、問題は「いつ訪れるのか」ということだ。もちろん、それを数日前に公開したら平和記念資料館に爆弾が仕掛けられるかもしれない。

安全上、スケジュールの突然の変更や中止等はどうしても必要になってくる。だがその度に、報道陣が振り回されているのもまた事実なのだ。

これから広島で、オバマ大統領がどのように振る舞い、いかなる発言をするのか。世界が注目する中で、寝不足の頭を抱えるジャーナリストの奮闘がそこにはある。

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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