MLBの新ルール導入にイチローが異議 「敬遠します」で敬遠が可能に

スポーツ

2016/05/28 21:00

tomato2/iStock/Thinkstock
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先週、アメリカ・メジャーリーグ(MLB)のオーナー会議が開かれ、現行投手が敬遠の際にボールを4つ投球する行為を廃止し、球審に敬遠の意思を示せば即座にフォアボールとなる新ルールを導入することで合意したと現地メディアが報道した。

このようなルールはソフトボールの一部国際大会ですでに取り入れられており、今回、MLBがそれを採用した形だ。


■スピードアップが急務に

野球は制限時間のないスポーツであり、試合が終了するまでにはやくても2時間はかかる。プロの場合、サインプレーの複雑化などで3時間程度要しているのが現状だ。

国民的スポーツとなっているMLBだが、「試合時間が長すぎる」という問題があり、人気ではNFLの後塵を拝している状況。今回のルール改正でよりスピーディーな試合を行なう狙いがある。

しかし、イチローが「それも野球の一部であり変えるべきではない。なぜなら敬遠で苦しむ投手もいるから」と苦言を呈すなど、導入に対する反発も多い。


■ゆくゆくはタイブレークも?

今後、同じソフトボール発祥で、延長に入った際にランナーを置いた状態でイニングをスタートさせるタイブレーク制の導入についても、議論になる可能性がわずかながらある。

MLBは引き分けを設けておらず、決着がつくまで何回であろうとイニングを更新する。タイブレークを導入すれば、より早く試合を終わらせることができるだろう。

現在日本アマチュア野球で広く取り入れられているが、高校野球甲子園大会やプロ野球は除外されている現状で、導入に拒否反応を示す人が多い。

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ちなみに、しらべぇ編集部の調査によると、高校野球甲子園大会にタイブレーク制度を導入してもいいと答えたのはわずか1割。スピードアップをはかりたい運営側とファンの認識に大きな差があるようだ。


■敬遠のドラマも

無機質な作業に見える「敬遠」だが、数々のドラマも発生している。主なものは以下の通り。

①敬遠球をホームラン

日本ハムの柏原純一選手が、西武永射保投手が敬遠しようと外したボールをスイングし、レフトスタンドに叩きこむホームラン。敬遠の球をホームランしたケースは極めて稀である。


②怒りのスイング

首位打者をロッテの高沢秀昭選手と争っていた阪急松永浩美選手が、11打席連続敬遠に抗議しバットを2回放り投げた。結局、ロッテが勝負を避けたため、松永選手は首位打者を獲得することができなかった。

このように自チームの選手とタイトル争いをしている選手を敬遠するケースは中日・田尾安志選手なども経験。日本の悪しき慣習とされる。


③サヨナラ暴投

1982年の開幕試合阪神対大洋戦、9回裏完投勝利目前の小林繁投手が乱調で追いつかれ、一打サヨナラの場面で高木由一を敬遠。しかし、アンダーハンドの小林投手が球をうまくコントロールすることができず、大暴投。まさかのサヨナラ負けを喫した。


MLBに新ルールが導入されれば、これらのドラマは二度と起こらなくなるだろう。寂しい気もするが、スピードアップのためには仕方ないということか。

(取材・文/しらべえ編集部・佐藤 俊治

qzoo
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2016年2月20日~2016年2月24日
対象:全国20代~60代の野球ファン460名(有効回答数)