ベッキー騒動でも苦戦 知られざるテレビ番組製作の裏側

好きなだけではやっていけない世界だ。

2016/05/28 18:30


ベッキー

普段何気なく観ているテレビ番組だが、その製作の裏側がどうなっているのか気になる人もいるだろう。

テレビ番組のプロデューサーやディレクターといえば、肩にカーディガンを巻いて、偉そうにADに指示を出している人というイメージを持つ人も少なくはないかもしれない。では、実際のところはどうなのか。

しらべぇ編集部では、某朝の情報番組のディレクターをしているTさん(30代男性)に取材を試みた。



■ベッキーとゲス川谷の不倫騒動も大変

Q.最近はどんなお仕事をされたんですか?

夜の12時から朝の4時までVTRの原稿を書いていました。その後、編集などがいるのでギリギリでしたね。12分の原稿だったんですが、作るのに約12時間かかりました。1分間の原稿を書くのに、約1時間かかるんです」


Q.原稿を書くのは放送作家の仕事ではないんですか?

放送作家はVTRの原稿は書かないんです。基本ディレクターが書いています。テレビが始まって5分くらいすると、今日のメインテーマとなるVTRを放送します。今回はベッキーの不倫問題について書いたんですが、芸能ネタはいつも苦戦します。


ちなみに、なぜその時間にメインテーマが始まるかと言うと、視聴率の高いNHKの朝ドラが終わり、視聴者がチャンネルを変える時間だからです」


関連記事:テレビから干された?能年玲奈の再起が叶わない意外な理由

■芸能番組の製作には数々のしがらみも…

Q.なぜ芸能ネタは苦戦するんですか?

「たとえばベッキー騒動でいうと、事務所からベッキーのVTRを使うのはNGだと言われているので、写真やイラストを駆使して番組を繋げています。


ほかにも先日、ゲスの極み乙女。の川谷絵音が離婚後初のライブをおこなったとき、現地まで行って取材をしたんですが、音源は著作権の問題から流せなかったりします。そういう問題がいろいろあるので、今回はお客さんのインタビューをたくさん使いました」


Q.金銭面のしがらみが、いろいろあるんですね。

「なんでもお金が発生するので簡単にはいきません。芸能ネタも映像が使えなくて大変だったりしますが、スポーツネタも大変。


ちょっとしたVTRを使うのも各スポーツ協会にお金を支払わなくてはいけないですし、その大会にスポンサーがついていたら、スポンサーにもお金を支払わなければいけません。


ほかにも個々にルールが決まっているので、それに沿ってVTRを作らなくてはいけないんです」


関連記事:ラジオが20代男性の間でブーム?「テレビにない魅力」とは

■ディレクター職に昇進はある?

Q.ディレクターの次にプロデューサーに昇進するんですか?

「そうとも言えないですね。プロデューサーは全体の仕切り役だったりするので。報道番組の場合ですが、制作サイドはディレクターをずっとやる人がほとんどです」


華やかなイメージのあるテレビ業界だが、じつは血の滲むような努力が隠されている。視聴者に叩かれながら視聴率とも戦い、芸能事務所やスポンサーなどのしがらみを考えると、好きなだけではやっていけない世界だ。

(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

芸能テレビ取材ベッキー川谷絵音ディレクター
シェア ツイート 送る アプリで読む

編集部おすすめ


人気記事ランキング