ベッキー騒動でも苦戦 知られざるテレビ番組製作の裏側
好きなだけではやっていけない世界だ。
普段何気なく観ているテレビ番組だが、その製作の裏側がどうなっているのか気になる人もいるだろう。
テレビ番組のプロデューサーやディレクターといえば、肩にカーディガンを巻いて、偉そうにADに指示を出している人というイメージを持つ人も少なくはないかもしれない。では、実際のところはどうなのか。
しらべぇ編集部では、某朝の情報番組のディレクターをしているTさん(30代男性)に取材を試みた。
■ベッキーとゲス川谷の不倫騒動も大変
Q.最近はどんなお仕事をされたんですか?
「夜の12時から朝の4時までVTRの原稿を書いていました。その後、編集などがいるのでギリギリでしたね。12分の原稿だったんですが、作るのに約12時間かかりました。1分間の原稿を書くのに、約1時間かかるんです」
Q.原稿を書くのは放送作家の仕事ではないんですか?
「放送作家はVTRの原稿は書かないんです。基本ディレクターが書いています。テレビが始まって5分くらいすると、今日のメインテーマとなるVTRを放送します。今回はベッキーの不倫問題について書いたんですが、芸能ネタはいつも苦戦します。
ちなみに、なぜその時間にメインテーマが始まるかと言うと、視聴率の高いNHKの朝ドラが終わり、視聴者がチャンネルを変える時間だからです」
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■芸能番組の製作には数々のしがらみも…
Q.なぜ芸能ネタは苦戦するんですか?
「たとえばベッキー騒動でいうと、事務所からベッキーのVTRを使うのはNGだと言われているので、写真やイラストを駆使して番組を繋げています。
ほかにも先日、ゲスの極み乙女。の川谷絵音が離婚後初のライブをおこなったとき、現地まで行って取材をしたんですが、音源は著作権の問題から流せなかったりします。そういう問題がいろいろあるので、今回はお客さんのインタビューをたくさん使いました」
Q.金銭面のしがらみが、いろいろあるんですね。
「なんでもお金が発生するので簡単にはいきません。芸能ネタも映像が使えなくて大変だったりしますが、スポーツネタも大変。
ちょっとしたVTRを使うのも各スポーツ協会にお金を支払わなくてはいけないですし、その大会にスポンサーがついていたら、スポンサーにもお金を支払わなければいけません。
ほかにも個々にルールが決まっているので、それに沿ってVTRを作らなくてはいけないんです」
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■ディレクター職に昇進はある?
Q.ディレクターの次にプロデューサーに昇進するんですか?
「そうとも言えないですね。プロデューサーは全体の仕切り役だったりするので。報道番組の場合ですが、制作サイドはディレクターをずっとやる人がほとんどです」
華やかなイメージのあるテレビ業界だが、じつは血の滲むような努力が隠されている。視聴者に叩かれながら視聴率とも戦い、芸能事務所やスポンサーなどのしがらみを考えると、好きなだけではやっていけない世界だ。
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)