建物や心の被害 震災後1ヶ月半、別府で生の声を聞く
震災から1ヶ月半が経過した、大分県別府市。傍目には復興しているように見えるが、人々の心には傷が残っている。しらべぇ取材班は、別府で現地の方々に話を聞いてみた。
■いまだに修理が続く
取材班が別府市の「白池地獄」を訪れたとき、ちょうど塔の修理の真っ最中。話を聞くと、やはり地震で崩れてしまったそうだ。
「建物は修理できますが、まだ地獄の色が悪いまま。普段はもっと綺麗なんですよ」
と、少し悲しげに語っていたのが印象的だった。また他の場所では、地震を受けて耐震工事の必要に迫られ、移転したお店も。
■家が怖い
「いまだに、家が怖いんです。家自体は倒壊の危険などはないんですが。今は友達の家や、安いホテルを転々としています。そろそろ落ち着きたいんですけど…」
こう語るのは、40代の女性。一人暮らしをしており、地震が起きてからは怖くて家にいられないのだという。友達の家にお世話になっていたが、あまり迷惑をかけるわけにもいかず、今でも2,000円弱のドミトリーで寝泊まりしている。
■食欲が落ちた
「震災後は食欲が落ちて。最近やっと良くなりました」
これは60代の女性。彼女の周囲の友達が心配しており、「だいぶ食べられるようになったみたい、よかった!」と喜んでいた。精神的ストレスからくる症状だったらしい。
まだまだ、すべてが元通りではないと痛感させられた現地での取材。
もちろん観光地としての別府は復活しており、地獄めぐりも温泉巡りも問題なく楽しめる。以前紹介したが、風評にめげず「地元グルメ」も健在で、美味しい食事がいただけた。
電車もバスも通常通り運行中。それでも観光客は少なく、海外の人が目立った。今は大分空港発着の飛行機も運行しており、1泊2日でも行きやすい。「温泉でゆっくりしたいな」と思ったら別府に行き、現地の人と触れ合ってみてはどうだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・たつきあつこ)