リクルートが開発した精子測定アプリ『Seem』を試してみた

2016/05/30 07:00


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先日、しらべぇでは精子測定アプリ『Seem』を開発したリクルートライフスタイルの担当・入澤諒氏へのインタビューを行なった。

なぜリクルートが精子測定アプリをつくったのか?開発者に直撃

多くの夫婦が悩んでいるとされる不妊。しかし、世界保健機関(WHO)の調査では「その原因の約半分は男性側にある」とされていることは、あまり知られていない。

毎月排卵があり、基礎体温をはかる人も多い女性と違い、男性は自分の「妊娠能力」について考えることは少ない。そんな中で、精子の濃度、運動率を自分で確認できる新サービスは、男性不妊の改善に大きな影響を与えそうだ。


■実際に使ってみた

しらべぇ編集部にもキットを1個いただいたので、男性記者が代表して試してみることにした。キットには、以下のようなものが入っている。

・採取用カップ
・スマホ顕微鏡レンズ
・採取棒
・測定チケット(QRコードつき)


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まずApp StoreでアプリをiPhoneに落とす。キット自体には細かい説明はないが、アプリ内では詳しく説明してくれる。

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写真右側にあるQRコードを読み取ると、測定準備の画面に進む。

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そして、採取用のカップを広げ、そこに精液を入れる。正しい検査には精液が全量必要とのこと。カップが少し小さいため、こぼさないよう慎重に。

その後、精液を15分程度放置し、サラサラに液化するまで待つ。液化した後は、コップをよくまわして精液を混ぜよう。

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ここで、採取棒の出番だ。これをキットから切り取り、先に精液をつけ、レンズカバーの切り欠き部分に付着される。上の写真の黒い円の上辺りに、欠けた部分がある。

精液がカバーの下に流れ込んでいく仕様だ。記者は一度で成功したが、レンズの上に落としてしまうと正しい検査ができないので、ここも要注意。


■実際に見てみると…

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精液を付着させたレンズを、スマホ正面のほうのカメラに置き、固定させる。普段、自撮りするときのカメラといえばわかりやすいだろうか?

そして、レンズに十分な光の量が入るよう、照明の下で撮影。

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検査結果がわかるまで約数分。緊張の時間である。


■動画でも状態をチェックできる

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記者の場合、今回のチェックにおいては精子濃度、運動率ともにWHOの基準値を上回っていることが判明した。「Seem」では動画も撮影でき、それをこの目で見ることもできるので、あわせて確認したい。

ちなみに、記者が交際する女性(23歳)にもこの動画を見せたところ…

「精子ってこんなに動くものなんだね!」


と驚き、興味津々に見ていた。男性以上に馴染みのないものだけに、より新鮮に感じたようだ。また、今回は幸い基準値を超えたのもあり、彼女も「よかったね」と喜んでくれた。

なかなか話しづらいテーマに新しいコミュニケーションが生まれるのも、サービスの魅力かもしれない。将来のことを、話し合うきっかけにもなりそうだ。


■生活習慣の改善のきっかけにしよう!

なお、このアプリで検査できるのは精子濃度、精子運動率のみであって、精子量、総精子個数、生存率、正常形態率などをはかることはできない。よって、この数字だけで妊娠可能かがわかるわけではない。

また、精子の状態は体調や環境で大いに変動するもの。喫煙、肥満、PCを膝の上で使用する、サウナに入りすぎる…意外な行動が、精子に悪い影響を与えると言われている。

実際に試した身としては、その結果が気になる気持ちもとても理解できるが、検査結果を深刻に受け止めるのではなく、あくまでも健康的な生活を送るきっかけにするようにしよう。すべての始まりは、知ることからだ。

(取材・文/しらべぇ編集部・クレソン佐藤 取材協力/リクルートライフスタイル)

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