感動と好奇心が子供の脳を育てる【溜池ゴローの子育てコラム】
ワシと息子の初めての男ふたり旅は、2日目に突入した。朝、友人宅を離れ、まずワシらが向かった先は、万博公園である。 ワシには、尊敬する三大哲学者がいる。その3人の偉人とは……
「アントニオ猪木」「岡本太郎」「バカボンパパ」である。彼らのかつて口にした格言は、ワシにとって生き方の哲学となっている。
アントニオ猪木氏曰く「バカになれ!」
岡本太郎氏曰く「ダメでいいんだ!」
バカボンパパ氏曰く「これでいいのだ!」
なんと、壮大で、単純で、エネルギーのある言葉なのだろう!! まあ、こんなことは良いとして……
当時ワシの息子は、その三大偉人の中のひとり、岡本太郎のかつて創作した芸術作品たちに、夢中になっていた。岡本太郎記念館や岡本太郎博物館に行くと、息子は作品たちと何度も熱心に愛情もって対峙する。
まるで、太郎の作品たちと戯れるように、記念館や博物館で遊ぶ。そして、岡本太郎は、息子の在籍する小学校の卒業生でもある。
学校には、記念展示室があるのだが、そこには岡本太郎の写真などが飾られている。 息子の目標は、自分も大物になって、将来は学校の展示室で自分の写真が岡本太郎の写真の隣に並べられることらしい。
■息子、大興奮!
そんな息子にとって、岡本太郎の最大作品「太陽の塔」は、いつかは必ず観に行かねばならないものだった。いわば、メッカである万博公園を巡礼し、そこに祀られている「太陽の塔」を拝みに行くようなものである。
太陽の塔を前にした息子は、いつまでも立ち尽くし、その圧倒的な存在感を体全体で感じ取っている雰囲気だった。圧倒的な存在感からくる感動は、子供の脳みその発達を大きく促していると、ワシには思えたものである。
持っていたカメラで、「太陽の塔」の全体を画角に納めようとしたが、あまりにも大きいので、息子はどんどん地面に這いつくばりながらシャッターを切っていた(笑)
■大阪の町並み
太陽の塔のお参りを終えて、ワシらは道頓堀へと向かった。当然、道頓堀ではたこ焼きを食べ、街中にあるド派手な看板などに驚きながら、息子は写真を撮りまくっていた。
美味しそうなものがあると食べ歩き、道頓堀川の船に乗り、夜はてっちり(フグ料理)の店で思いっきり食べまくった。大阪のパワー溢れるゴチャゴチャした雰囲気に巻き込まれながら、息子の好奇心爆弾は思いっきり爆発しまくりだった。
テレビでもなく、ゲームでも、ネットでもなく、本や図鑑でもなく、息子がはしゃぎ回っている現実の空間での経験こそが、好奇心や感覚を育てているのだ。
■最後までノンストップ
そして翌日、ワシらは東京に帰る前に、ユニバーサルスタジオジャパンに立ちより、片っ端からアトラクションを次々休む間もなく、楽しんだ。 ワシら親子に休憩などという生温い時間はない!
経験したいアトラクションは、前持って買っておいた特別券で、間断なく乗り続け、興奮しまくり続けた……
息子もワシも、頭がハイパフォーマンス状態になったまま、「どりゃーーーー」という雰囲気で、東京行きの新幹線に飛び乗ったのだった。 これがきっかけで、息子とワシは、年に1度か2度、男ふたり旅にでかけることにあったのである。
今回は以上!!
(文/溜池ゴロー)