うさんくさいイメージ変わる?メガバンクが仮想通貨、発行へ

2016/06/11 11:00

三菱東京UFJ銀行
画像出典:フォト蔵 ©kyou3

三菱東京UFJ銀行が来年の秋、オリジナルの仮想通貨を新たに発行するという報道があった。実現すれば、メガバンクの一般向け発行は世界初になる。

ところで、うさんくさいイメージが先行している感がぬぐえない仮想通貨とは、いったいどのような「お金」なのだろうか。


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■その名もMUFGコイン

同行が発行するとされる仮想通貨は、「MUFGコイン」。MUFGは、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」の略称だ。なお5月25日に成立した改正資金決済法で仮想通貨は、「貨幣に準ずるもの」として金融庁のお墨付きを得ている。

仮想通貨といえば、あの「ビットコイン」などの流通が先行しているものの、海外生まれのサービスであることから実態がよく分からないところがある。 2013年には、ビットコインの交換所「マウントゴックス」が破綻した事件もあった。

やはり「うさんくささ」が先に立つのではないだろうか。

とはいえ、国内からの信用が厚いメガバンクが発行に踏み切れば、同様に仮想通貨の信用も厚くなる。うまくいけば、来年が日本の「仮想通貨元年」になるのかもしれない。


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■電子マネーとの違いは?

電子マネー
画像出典:フォト蔵 ©Berchan1976

「MUFGコイン」のあらましは、以下の通りだという。


・利用者間で直接のやりとりが可能
・貨幣との交換比率は一定(1円=1MUFGコイン)
・三菱東京UFJ銀行に口座がなくてもサービスを受けられる
・ATMにスマホをかざすことで現金化できる


元締の「サービス提供者」を通さない限り利用者間では資金のやり取りができない従来の電子マネーとは異なり、MUFGコインは元締に当たる同行を通さずに利用者間でもやり取りができる。

個人間のダイレクトな送金に利用できる性質は、電子メールアカウントとインターネットを使う既存の決済サービス「ペイパル」に近いといえそうだ。


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■そもそも「仮想通貨」とは?

しかし狭義では、「MUFGコイン」が仮想通貨には当たらないという指摘もある。

理由は、「資金決済に関する法律」で定められる仮想通貨の定義「不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの」のうち、 「不特定の者を相手方」にしているとまではいえないところだ。

また「ビットコイン」とは異なり貨幣との交換比率が一定で投機の対象にならないところは仮想通貨としての魅力に欠け、ポイントカードなどの「ポイント」に近いものだと捉える向きもある。


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■使うメリットは?

決裁
©写真AC

「MUFGコイン」を使用するメリットは以下の2点。

 
・銀行口座開設の手間を軽減
・決済の即時反映


クレジットカードのように厳しい審査がないことも、利用者の幅を広げることにつながるのではないだろうか。

また支払いを受ける側にとっては、タイムラグがない決済の即時反映は大きなメリット。 現状、クレジットカードを介したサービス決済では、実際に金を手にするのが2カ月後になってしまう。

利用が広まれば、キャッシュフローの分野に大きな変化をもたらしそうだ。

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(文/しらべぇ編集部・上泉純

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