男ふたり旅第2弾!気分は大泉洋な息子【溜池ゴローの子育てコラム】
ワシの家には、テレビがない。
息子が生まれてすぐにテレビ受像機は捨ててしまった。なので、ワシの息子は、生まれてからずっと、テレビのない家で育っている。
ということは、1日のうち、テレビを漠然と見る時間がない分、息子は幼い頃から読書や水泳やその他習い事に多くの時間を費やしてきたということである。
しかし、息子が興味を持ったり良かれと思った番組は、DVDやYouTubeなどで、しっかり何度も見ている。
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■『水曜どうでしょう』にハマる息子
息子がまだ保育園にいた頃から、NHKの『ピタゴラスイッチ』や『プラネットアース』などは、DVD全巻を購入し、繰り返し見ている。
当時幼い息子は、よく進行役の故・緒形拳氏のモノマネをしていたものだ……ちょっとマニアック?(笑)
で、息子が小学校4年生のときにネット上で発見し、大のお気に入りになったのが、『水曜どうでしょう』(北海道テレビ放送)という番組である。
この番組は、人気俳優の大泉洋氏がディレクターさんたちと、日本国内や海外のさまざまな場所に旅に出るドキュメント番組で、ディレクター含め男数人での無計画な行程で進んで行くものだ。
ちょっとしたいい加減さとフットワークの良さとチープさが、妙な味を出している。息子は一時期この番組にハマりまくっていた。
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■息子と男ふたり旅へ
そして、息子小学校4年時のゴールデンウイーク、前年の大阪に続き、ワシとの男ふたり旅として、京都に1泊で行くことになった。
もちろん、『水曜どうでしょう』に影響を受けてしまった息子なので、ビデオカメラを自分のバッグに入れ、要所要所でカメラを出しては、『水曜どうでしょう』風な解説やワシとの掛け合いを入れながら、撮影をしていた。
「いや〜〜〜父さん、ついに来たね〜〜京都〜〜〜」
などと、気分はもう大泉洋か番組のディレクターである(笑)。
1泊2日の京都旅行は、強行スケジュールだった……
初日・京都到着→太秦映画村→伏見稲荷→祇園→宿泊先で1泊→
2日目・京都市街の寺院と神社をいくつか散策→ねねの道→清水寺→三十三間堂→帰京
……ざっとこんな感じだった。もちろん、2日間とも電車と歩き移動である。
ワシら親子に、「常識的な京都観光」の意識などはまったくない。世の中で名所とされていたり、どんなに「ここはいい!」とススメられる場所でも、自分の目と感覚で「楽しい!」「いい!」と感じることにしか興味がない。
そんなこんなで、京都到着後すぐに電車で太秦映画村に行き、映画撮影のようなアトラクションなどを見て、江戸の街のようなセットを足早に楽しみまくった後、ワシらはすぐに太秦を後にした。
■息子が伏見稲荷へ行きたがった理由
そして再び電車に乗り、伏見稲荷へ向かった。じつは、息子には、伏見稲荷に行く「ある目的」があった。
ご存知だろうが、伏見稲荷には、もの凄い数の赤い鳥居の並ぶ道が山の上まで続いている。その延々と続く赤い鳥居の下を親子ふたりでいろんな話をしながら、ガンガン歩き続けた。
もちろん、息子は赤い鳥居の中をビデオカメラで撮影しまくっていた。なんとも幻想的風景である。息子は日常にはない風景に興奮気味だった。
じつは、先ほど述べた息子の「ある目的」とは、伏見稲荷の中にあるものではない。それは、伏見稲荷から出てすぐの商店街にある食堂で売っている「料理」だった。
参道を歩きまくったせいか、腹をすかした息子は、その食堂を見つけると大喜びで入っていった。ワシら親子は席に案内され、ある料理を注文した。そして、しばらくすると注文した品がワシらのテーブルに運ばれて来た。
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■スズメの丸焼きは驚きの美味さ
息子が伏見稲荷で食べたかった料理とは……スズメの丸焼きである!
たしかに焼き鳥は焼き鳥なのだが、スズメの姿をある程度残したままのスズメの焼き鳥なのだ。それを小学校4年生の息子が美味しそうに頭からバリバリと食べているではないか……
「お前は熊の子か!」
と、思わずツッコミを入れたくなったワシも「スズメ君ごめん!」と目を瞑って食べてみた……
美味い!! 見た目はちょっと……だが、スズメの丸焼きは、意に反して、とても美味かった。ただ、噛みながら、バリバリバリバリ……と、骨を噛み砕く音がいつまでもしてはいるのだが……
人生は、出会いと経験で決まる!! こういった経験を楽しんでできている息子と共に、今後もいろいろと学んでいこうと思ったワシでした。
京都の続きは次回。今回は以上。
(文/溜池ゴロー)