食品ロスは世界的な問題 貧困を考えさせられた食品メーカーの苦悩

2016/07/03 06:30

食品
kazoka30/iStock/Thinkstock

日本では年間500万トン〜800万トンの食べられるのに捨てられている食べ物、いわゆる「食品ロス」が近年問題になっている。その量は、日本人ひとり当たりに換算すると、毎日おにぎり1〜2個分になるとも。

また企業による賞味期限の改ざん廃棄食品の横流しはニュースでたびたび問題になっている。そこでしらべぇ編集部では、元食品メーカーに勤めていた30代男性に裏話を聞いてみた。



 

■食べられるのに処分

「新卒で食品メーカーに入社しましたが、こんなにも大量の食べられる食品を処分するのかと考えさせられました。入社前に南米を旅していたので貧困問題については興味があり、日本ではこんな実態なのかと入社早々に落胆しました」


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■賞味期限切れの捨てる商品を買取

「食品メーカーの食品は卸業者や小売業者に販売して、消費期限が切れて売れ残ったものを食品メーカーが買い取ります。買い取った処分は廃棄償却になるので、その分さらにお金がかかります」


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■食品業界自体の流れ

「若気の至りでこの問題を何とか解決しようと、営業先に『食品をすべて買い取りにしてくれないか』と頼みました。承諾を得て交渉は成立したんですが、『このメーカーはうちの面倒を見てくれない』という理由で売上が一気に落ちることに。


上司にも怒られ会社にも迷惑がかかり、自分の中でかなり葛藤しましたね」


その後、彼は「食品ロス」の実態を報道していた某TV局に入社し、報道から食品ロスの問題に取り組むことにしたという。


食品ロスはたびたび問題になっていたが、メーカーが賞味期限切れの商品を買い取り、さらには償却費まで支払っているという過酷な状態。

フランスでは、2016年2月に「賞味期限切れ食品」の廃棄を禁止する法律が成立した。日本にもいずれフランスのような法律が出来るのか注目したいところだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・ニートgoma

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