部下のメールを一言一句チェック 「舟を編む上司」が恐怖すぎる
ビジネスメールにはさまざまなルール、暗黙の了解がある。取引先に送る際に気をつけなければならないことは多く、送信ボタンを押す前にチェックする人も多いのではないか。
しかし、中には上司が積極的にメールの書き方や言葉遣いに介入してくることもあるようだ。しらべぇ取材班では新社会人時代、部下のメールに厳しい上司のもとで働いた経験のあるMさん(20代・男性)に話を聞いた。
①社外へのメールは検閲を行なってから
「外注先にメールを送るとき、必ず上司に一旦見せてました。赤字で修正が入る、いわゆる検閲ですね。あるとき、語尾だけ赤字で修正入ってたんで、それを黒にしてそのまま送り返したらまた語尾の修正。それ、僕が最初に送った文章と同じなんですよ。脳細胞死んでるのかっていう。
そのときの気分で添削してるんでしょうけど、こっちは気づいたら1日3時間くらい上司とメールしてる。それで『仕事が遅いね』とか言うからムカつく」
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②了解を使うとブチ切れ
「あるとき、『了解いたしました』って使ったら『了解を上司に使うとは何事ですかあ!』とブチ切れられたことあり。国語辞典を編纂していた人が前にツイートして話題になっていましたけど、了解しましたはともかく、了解いたしましたは敬語なんですよ。ほんと納得できない」
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③件名に「。」を使うと「あんた本当に社会人なの?」
「そりゃあ、今となってはそれが普通だってわかりますよ? でも、当時は社会人1年目なんだし、慣習もわからないじゃないですか。30分説教される筋合いはなかったはずです」
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④誤字脱字は決して許されない
「グループのチャットワークで誤字脱字をしたときは、『なんで誤字脱字するの? 送信する前に確認してる?』と個人メッセが入ります。誰だって誤字脱字くらいするし、というか上司も普通にしてるんですよ」
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⑤新人は「お願い致します」じゃなく「お願い申し上げます」という謎ルール
「『お願い致します』と『お願い申し上げます』の間に差があるらしく、新人は後者を使うというその人の中での常識があったらしい」
⑥「ガンガン契約取ってきます!」と気合いを表現したら「……ガンガンとは?」
「性格が細かく粘着質なので、ときに思いもよらないところで反応することも。あるとき、『営業行って来ます! ガンガン契約とってきます!』とメールしたら、『ガンガンってなに? 曖昧な言葉で逃げてない? 社会人はすべて数字で言うものでしょ? 違う?』とメールが。
今からアポなのに、いちいち言葉の意味や概念まで説明してる暇ないっつーの」
インタビューの最後、彼は「辞書を作るわけじゃないんだし、そんな細かいことまで気を遣う必要ないじゃないですか?」と語っていた。なんでもその上司は「舟を編む上司」と呼ばれていたそうだ。
ここまで極端な人は珍しいかもしれないが、項目の中には「そういう人いる」と思わさせられるものもある。プレイヤーとしては優秀だが、マネジメントスキルに欠けていたり、部下への伝え方をあまり考えていないのだろう。
ビジネスマナーは大事だが、メールの添削で仕事が押してしまうのは本末転倒だ。このような「舟を編む上司」に遭遇した場合は、注意して行動したい。
なお、しらべぇ編集部の調査では、会社員経験者の22.9%が「メールや書類の文章をやたら細かくチェックしてくる上司がいた」と答える結果となっている。
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(取材・文/しらべえ編集部・岡本拓)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年6月24日~2016年6月27日
対象:全国20代~60代の会社員経験者男女484名(有効回答数)