転職で失敗を繰り返す人の問題点 企業担当者が厳しい指摘
学生時代の就職活動準備中に、自己分析をして将来の目標を明確にする。だが、就職をして社会人になったところで「結局自分が何をやりたくて、何を目標にしていけばいいのかわからない」という若者が増えてきている。
とくに、何となく受かった中小企業で働いている人に顕著な傾向が表れているようだ。かつては家族を持って一般企業で昇進することが普通の幸せであったが、それすら手に入らない時代になっていることも理由として挙げられる。
ただ社会人になってもやりたいことが見つからないことは、企業の人から見れば問題だという。しらべぇ編集部では、その理由を取材した。
①やりたいことがあるから転職するのでは?
「弊社は中途採用を積極的に行なっていますが、採用に至るケースは『やりたいことが明確になっているか』が判断基準のひとつとなります。
そもそも、現状でやりたいことがやれないから転職活動している訳ですよね。そうでない場合は、単純に会社が嫌で活動しているとしか思えません。
やりたいことが不明確な方の判断基準は、明らかに転職理由がふわっとしていますね」(人事担当/40代男性)
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②やりたいことがない人が出世しても意味がない
「昇進の判断基準として、会社でやりたいことが明確になっているかは重要ですよね。 マネージメントであろうと、新商品を作りたいであろうと、顧客満足度を上げたいであろうと、なんでもいいわけです。
ただそこが明確になっていないと、パフォーマンスは今までと出世しようとしなかろうと変わらない。やりたいことがない人が意欲があり、成果を将来的に出せるとは到底思わないですね」(管理職/40代男性)
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③会社まで適当に選んで貧困状態に
「以前、部下に『やる気あるの? 何がやりたいのか』と問いましたが、何も回答が返ってきませんでした。その後、仕事中にさぼったり遅刻をしたりと、明らかにパフォーマンスが悪かったですね。
最近転職しましたが、そこも何となく入ったそうです。どんどん規模が小さい会社に転職し、そこがいつ倒産するかわからない。やりたいことがないから会社選びがまともにできないんでしょう。
どれも『ワンマン経営で、方向性も不明確。給料も低いから辞めました』なんてインターネットの掲示板で書き込みされている会社なんですよね」(管理職/30代男性)
やりたいことというのは、日々を過ごしているだけでは見つかるものではない。自分から探さないとわかるものではないのだ。その努力を怠っていると見られるため、転職をしても失敗する若者がいるという。
昨今では民間のキッザニアをはじめ、小中学校でも就職体験をする機会を増えてきており、子供のころから仕事や職業を知れるような取り組みも出てきている。
今からでは遅いと思うのではなく、「自分は何をしたいのか」ということを改めて考えてみてはどうだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・松岡佑季)