マレーシアで日本食材を買うには?あの建物に「和食の宝庫」
マレーシアの首都クアラルンプールには、ペトロナスツインタワーという象徴的な建築物がある。
じつはその地下に、現地在住の日本人が集まる一角があるのだ。それは、大手百貨店伊勢丹の食料品売り場。
どの国の人々も、自分が異国へ渡ったら故郷の食べ物が恋しくなる。日本人の場合は、ジャポニカ種の米と味噌と醤油が無性にほしくなるだろう。だからこそ、海外に進出した日系小売企業というのは非常にありがたい存在なのだ。
ペトロナスツインタワーの伊勢丹も、まさに現地の日本人にとっての「食料庫」となっている。
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■見慣れた商品が……
しらべぇ取材班が現地を訪れたのは、ちょうどイスラム教の断食明けの祝祭日。
ペトロナスツインタワーも活気に溢れ、多くの家族連れが楽しそうな声を上げていた。ただし最近頻発するテロへの警戒から、銃を抱えた兵士の姿も目立つ。
そんな中でタワーの地下1階に位置する伊勢丹食料品コーナーは、非常に多くの客を集めていた。棚を見てみると、そこにはあらゆる日系ブランドの商品が。
キユーピーマヨネーズやキッコーマンの調味料、さらには永谷園の『すし太郎』まで。興味深いことに、ミツカンの酢や味ぽんなどもあった。日本にいる時と変わらないほどの品揃えである。
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■日本酒も買える
また、寿司のバラ売りを行っている一角もあった。客が自ら容器に寿司を入れ、あとでその合計を計算してもらうというスタイルである。
この食料品売り場を利用しているのは、何も日本人だけではない。むしろ現地の華人が多い印象。それにイスラム教徒のマレー人や印僑の人々も訪れている。和食は民族問わず、非常に人気の高いメニューなのだ。
そしてこの売り場では、日本酒も取り扱っている。さすがに日本で買うよりもかなり割高な値段になってしまうものの、駐在員は先方へのちょっとした贈り物として、ここで日本酒を買うことがよくあるそうだ。
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■エスニックの宝庫クアラルンプール
クアラルンプールは、一言で言うなら「多国籍都市」だ。
もともとは錫の採掘地として各国から労働者を集めていたが、今はアジア有数の金融都市として大発展している。街を少し歩いてみても、華人やマレー人、西洋人、インド系、韓国人、そして日本人などが混ざり合う。
そうした特徴があるからこそ、ショッピングモールの「エスニック傾向」もだいぶ鮮明であるようだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)