議席には届かずもまさかの健闘!『支持政党なし』の選挙ハック術

支持政党なし

昨日、投開票が行われた参議院議員選挙は、与党が過半数の議席を獲得し大勝利をおさめた。しかし、投票率は期日前投票を含めても54%前後と伸び悩み、有権者の政治への関心の低さが伺える。

そんな中、一風変わった選挙戦略で話題となっていたのが『支持政党なし』。一般的には「無党派層」を指す言葉だが、今回の参院選では、政党名となっていたのだ。

得票数も比例区で『新党改革』を上回り、『日本のこころを大切にする党』に迫る健闘ぶりだ(どちらも獲得議席はないが)。

しらべぇ編集部は公示前の6月17日、支持政党なしの佐野秀光代表への単独取材に成功。さまざまな疑問をぶつけたが、彼らが実施した「選挙ハック」とも言えるさまざまなアイデアをあらためてご紹介しよう。

もしもあなたが新党をつくって立候補するとき、役に立つかも立たないかもしれない。



 

①無党派層が誤解しやすい政党名

佐野代表によれば、

「今の日本の選挙制度では、大政党に所属するか著名人しか政治に挑戦できない。支持政党を持たない人は、最大与党の自民党以上にいるから、自らに足りない知名度を補える」


とのことだった。政党名とは思わず、間違えて投票する人が多いことは認めつつも「支持政党がない人の思いは裏切っていない」とも回答。

これに近い手が他にあるとすれば、

『その他』を政党名として届け出る

『◯』『☓』などを政党名として届け出、「◯☓方式」だと誤認させる


などがありうるだろうか。


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②失敗したら名前は柔軟に変える

『支持政党なし』の前身は『安楽死党』、その前は『新党本質』という政治団体だった。名前だけでなく主張も変わっているが、それに対して佐野代表は、

「ビジネスでもうまくいかなかったら方向転換するもの。政党名や公約も、当選できなかったのなら柔軟に変えたほうがいい」


と、学生時代に起業した会社経営者らしい発想を語っていた。


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③ポスターを「バナー広告」ばりに並べる

東京選挙区の掲示板に貼られたポスターに驚いた人も少なくないだろう。ほぼ同じポスターが4枚連続して貼られているのだ。

掲示板に貼られるポスターの位置は抽選で決められるが、その抽選が締め切りになってから届け出ると先着順となるため、4人の候補者を立てた東京では4枚連番で貼られることとなった。

ネットのバナー広告や新聞・雑誌の広告では、面積が大きいことが効果につながりやすい。IT企業的なアイデアと言えるだろうか。


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④選挙区のポスターに候補者名を書かない

また公職選挙法では、選挙ポスターには必ずしも「候補者名」を書く必要がない。そのため、『支持政党なし』のポスターは「選挙区ポスター」でありながら、候補者の氏名が書かれておらず、「比例区」への投票のみを求めるように見える。

無名の候補者より、「支持政党なし」という言葉のほうが知られているための作戦だろう。


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⑤政見放送は「トークのプロ」と共演

佐野代表の政見放送は、アナウンサーの女性が候補者に質問する方式。演説に慣れた政治のプロでなくても、考えを伝えやすい。

泡沫候補の政見放送は、面白いが支離滅裂な見世物のようになってしまうことも多いが、伝え方も計算されている。


『支持政党なし』が訴えたのは、ネットを活用した直接民主制的なシステム。ただし、英国が国民投票でEU離脱を決めたことなどを見ると、直接民主制にはリスクも大きい。

また、今後も政治活動を続けていくほどに「間違えて投票」という割合は下がっていく可能性も高い。ライフハック的な技では、議席への道はまだ遠いようだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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