「出張から帰ってこない…」文科省から出向の副町長が消える
国の地方創生人材支援制度で、文部科学省から佐賀県上峰町の副町長に就任した女性が、6月末から登庁していないことが判明。
2日間の日程で東京に出張したが、帰宅予定日になっても帰ってこないという。上峰町が文科省に問い合わせたところ、出張の延長を要請。その後「健康上の理由で休ませたい」と連絡が入ったそう。
出張と称して戻らなかったこと、自分で事情説明をせず文科省を通じて連絡をとっていることなどが「身勝手だ」と批判されている。
■前任者も1年で異動
上峰町はこれまでにも文部科学省からの出向者を副町長として受け入れているが、前任者は4年の任期があったにもかかわらず、1年で「国の人事異動」となっている。
そのため今回の件についても「上峰町側にもなにかあったのではないか」「東京からきたエリートを煙たがっていたのではないか」との憶測も飛びかっている状況だ。
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■有休が取得しづらかった?
当初から出張と有給休暇をあわせてとり、「リフレッシュしたい」と事情を説明していれば、こんな騒ぎにはならなかったかもしれない。しかし副町長とはいえ新人だけに、休みをとりづらかった可能性も。
ちなみに、しらべぇ編集部の調査によると「有給休暇をとることに罪悪感を感じる」人は4割存在。
罪悪感や新人という引け目でとれず苦しんでいたのなら、情状酌量の余地はあるのかも。
だが出張と称して戻らず連絡もしないのは、社会人としてあるまじき行為といわざるをえない。一般企業なら解雇されてもおかしくないだけに、厳しい声があがっても致し方ないだろう。
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■経験者に話を聞いてみた
無断欠勤して会社をクビになった経験を持つMさんに見解を聞いてみた。
「私は都内でSEとして働いていたのですが、いわゆる技術者派遣。正社員でありながら別の会社に出向してました。営業には楽な仕事といわれたけど、結局毎日終電で帰宅する生活が続いて。そんなとき、プロジェクトリーダーのわがままで遅くなり、駅のホームで終電に乗り遅れ、帰れなくなってしまったんです。
そのときにキレてしまい、次の日はなんの連絡もせず休みました。そうしたら営業からガンガン着信が。夜まで無視し、19時ごろに電話したらえらい怒られて。『こんなのは前代未聞、クビだ!』と言われました。クビになるのは想定内だったのですが、営業の言い草が腹立たしくて。『あんたがミスマッチの仕事持ってきたのが原因だろ!』と口論に。クビになりましたが、営業も責任とらされたみたいです。
上峰町の副町長はよくわかりませんが、やっぱり出向は気苦労もあるし、休みも現場と自社の両方に連絡を入れなければいけないので大変だったのでは。ちょっと同情しますが、公務員なら我慢しろよって感じもします。どっちにしろ、退職覚悟の行動じゃないですか? 文部科学省には残れるなら、おかしいと思いますけど」
有給休暇は社員の権利。無断欠勤よりはずっとマシと考え、罪悪感を感じてもとるべきかもしれない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
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