読書推進プロジェクトが「アニメdisり」で大炎上 拙い日本語が災いか

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2016/07/21 11:30

(画像は公式サイトのスクリーンショット)
(画像は公式サイトのスクリーンショット)

過去、アニメやマンガなどのオタク文化は、蔑みの対象だった。しかし、関係者やファンの尽力もあって広まり、今や世界中で「クールな文化」として受容されている。

そんな現実を未だに把握していないのか、とある団体が打ち出したコピーが炎上状態となっている。


 

■小説家からも「商売の邪魔すんなよ」の声

団体の名は日本文芸振興会。芥川賞、直木賞を主催する由緒正しき団体だ。「人生に、文学を。」と名付けられたこのプロジェクトのコピー全文は以下のとおりだ。

人生に、文学を。


文学を知らなければ、

目に見えるものしか見えないじゃないか。

文学を知らなければ、

どうやって人生を想像するのだ(アニメか?)


読むとは想像することである。

世の不条理。人の弱さ。魂の気高さ。生命の尊さ。男の落。女の嘘。

行ったこともない街。過ぎ去った栄光。抱いたこともない希望。

想像しなければ、目に見えるものしか知りようがない。

想像しなければ、自ら思い描く人生しか選びようがない。


そんなの嫌だね。つまらないじゃないか。


繰り返す。人生に、文学を。

(一年に二度、芥川賞と直木賞)


炎上のきっかけとなったのは「アニメか?」の一節。わかりやすく言い換えると「文学を知らなければ、どうやって人生を想像するのだ。アニメで想像するのか?」というニュアンスなのだろうが、これが「アニメを貶めている」と受け取られたのだ。

たしかに、この文脈でアニメを持ち出すのは明らかにおかしいし、極めて品のない選択である。

担当者によると、「アニメだけでいいのでしょうか?」という意味で、コピーライティング上この表現になったということらしいが、表現が少し下手だったと言うしかない。


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■「アニメを観たことがない人が偏見で作った」との声

他にも、このコピーには突っ込みどころが満載だ。たとえば、「行ったこともない街」という一節に関しては、昨今の「聖地巡礼」で反論できる。

これは、近年のアニメ作品には実在の土地を舞台にしたものが多数存在し、ファンがそこを訪れる、というものだ。

また、最後に「一年に二度、芥川賞と直木賞」と添えたのもまずかった。「文学賞は他にもあるだろ!」という批判が寄せられたのだ。

自分たちの仕事を誇りに思うのは個人の自由だが、誤解を招いても仕方のない表現であり、日本語が少し拙かったかもしれない。

いずれにせよ、このプロジェクトに携わった人々に、目に見えない人の気持ちを想像する力があれば、決して起こらなかったであろう炎上案件である。


■読書離れを進めるのは自分たちではないかと批判

文章全体からも、どことなく上から目線を感じる。このような姿勢が、人々の活字離れを引き起こしている可能性もあるだろう。

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なお、しらべぇ編集部が過去に行なった調査では、毎月1冊以上書籍を買う人は、全体の2割程度に過ぎなかった。本当に活字離れを食い止めたいのであれば、今後は啓蒙活動にも細心の注意を払うべきだろう。

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(取材・文/しらべぇ編集部・クレソン佐藤

qzoo-200x94【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo
調査期間:2015年7月24日~2015年7月27日
対象:全国20代~60代の男女1345名(有効回答数)


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