Wi-Fiの電波が人を襲う?「電磁波過敏症」に苦しむ人々
これは、昨年末のM-1グランプリに出場したメイプル超合金の漫才で出てきたフレーズだ。 「見えるはずのないWi-Fiの電波が見えてしまう」というカズレーザーのボケなのだが…じつはこれが、まったくありえない話でもない。
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■見えない電波が襲う電磁波過敏症
あなたは「電磁波過敏症」という言葉を知っているだろうか? これは読んで字のごとく、電磁波を過敏に感じ取ってしまい身体に変調をきたす疾病だ。
電磁波は電気と磁気の性質を持つ波のことで、我々の生活するあちらこちらで飛び交っている。
電磁波過敏症を訴える方にとっては、電子レンジや携帯電話といった生活家電などから発せられる電磁波が苦痛であり頭痛、疲労、めまい、吐き気、皮膚の痛み、皮疹などの症状をもよおすこともあるのだ。
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■Wi-Fiアレルギーが原因で閉店を決意
36歳のリチャード・キンバリーさんは、イギリスのウスターシャー州で経営していたお店を近日中に閉店する。1996年に開店したリチャードさんのお店は、携帯電話やパソコンの修理を請け負い、着実に業績を伸ばしていたのに、だ。
では、閉店の理由は何なのか? それは、ここ数年リチャードさんを悩ませていた「Wi-Fiアレルギー」が原因だったのだ。
今や、携帯電話もパソコンもWi-Fiに接続できて当たり前。修理を請け負うリチャードさんにとってもWi-Fi環境は欠かせないのだが、2013年に自宅兼店舗を移転したころから、リチャードさんの身体に異変が起き始めた。
病院でも原因を特定することができず、途方に暮れていたある日。自宅のWi-Fiを切断したところ、症状が改善されたのだ。
このことから、Wi-Fiの電磁波が自分を苦しめていると気付いたリチャードさんは、店の業務をスタッフに任せ、電磁波をブロックするためのアルミニウムで内部を覆った車の中で生活するようになった。
今後、リチャードさんはWi-Fi電波の届かない環境からブログを更新し、電磁波過敏症の認知度を向上させたいと考えているそうだ。
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■WHOの見解は?
WHO(世界保健機関)は、2005年に電磁波過敏症に関して、こう発表している。
要するに、現段階では電磁波過敏症の原因は全く不明で、効果的な治療法も存在しないのだ。 「ただの気の病だろ?」と切り捨てる方もいるだろう。しかし、ある日突然、あなたが電磁波に悩まされる時が来るかもしれない。
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