クロネコヤマトが「ロボネコヤマト」実験運用開始へ
自動運転車両の話題が、ここ最近続いている。
すでに運転補助機能付きの自動車は市販されているし、バスなどの公共交通機関にもオートドライブ車が登場。今現在の段階ではドライバー席に運転免許証を持った人間が座る必要はあるものの、いずれは無人運転車が公道を疾走するだろう。
となると、その流れは当然ながら配送業界にも波及する。
■来年実施のオートドライブ配達
『クロネコヤマト』でお馴染みのヤマト運輸は、このほどDeNAとの共同プロジェクト『ロボネコヤマト』の実験運用を来年から始めると発表。
これはドライバーの負担を減らすためにオートドライブ車を導入する企画で、消費者にとっても利便性が向上するという。
配送業界でも人手不足が指摘されているが、オートドライブ車はそれを改善するという期待がかけられている。また、将来的にはドライバーのいない無人車導入を目指している。
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■スマホで「いつでもどこでも」
ロボネコヤマトの利用者は、スマートフォンで都合のいい時間と受け取り場所を指定できる。
ヤマト運輸のスマホサービス自体は、すでに存在。今年1月にはLINEアカウントを開設し、それを介した荷物問い合わせなどを実施している。そうした機能にオートドライブ車が組み合わされば、まさに「いつでもどこでも」というような状況が生まれることは確かだ。
ただし強調しておかなければならないのは、このロボネコヤマトの運用はあくまでも国家戦略特区のみということ。全国的なサービスの展開は、まだ少し先のことになりそうだ。
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■世界は変化する
ドローンとオートドライブ車により、世界の産業構造は大きく変化しようとしている。
たとえば、リーマン・ショック直前の頃と現在を比較してみると、たったの10年足らずで「社会の中身」が大きく変わった。まず2007年にはスマートフォンというものがまだ普及していない。ドローンは空撮業者だけの代物、オートドライブ車は開発が始まっていたとはいえ、一般市民にとってはSF映画の中だけの発明品だった。
それらが身近なものになると、新たなベンチャービジネスが続々と誕生。この時点で、産業構造が2007年当時とはまったく別物になったのだ。
我々人類は「新しい時代」へ突入している。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)