「銃の国」アメリカのガンロッカーが超スタイリッシュ
アメリカは、言わずと知れた銃社会である。
先日日本で発生した大量刺殺事件のようなことがアメリカで起こると、この国の市民は「やはり銃を持たなければいけない」と声を上げる。銃を持っていれば犯人に対して反撃ができるからだ。現に2012年のコネチカット州小学校乱射事件の直後、共和党のルイ・ゴーマート下院議員(テキサス州選出)は「校長が自動小銃を持っていれば、このような事件は発生しなかったでしょう」と発言。
これはゴーマート議員が異常な考えの持ち主というわけではなく、そうした世論がアメリカには根強くあるということだ。
だからこそこの国の市場は、常に「銃の存在」を意識している。
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■まったく新しいガンロッカー
クラウドファンディングサイト『Indiegogo』に、このような発明品が登場した。新型ガンロッカー『Sentinel』である。
ガンロッカーの常識を覆す薄型デザインが特徴で、Bluetooth接続によりステレオとしても使用できる。アメリカでは、ガンロッカーも必要不可欠な家具のひとつなのだ。
収納サイズは、現地市民からの絶大な人気を誇る名銃AR15がすっぽり収まる程度。もちろん拳銃や散弾銃にも対応できる。また、同じスペースに銃弾を差し込む収納スロットもある。
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■北欧家具に負けないクールなデザイン
また、このSentinelは解錠方法も売りにしている。
指紋認証、カードキー認証、そしてスマホアプリ認証の3通りに対応。銃のオーナー以外の人物は開けられないようになっている。
だがやはり、最大のセールスポイントはそのデザインだろう。アメリカ人にとっても、ガンロッカーは「無骨でかさばる」という認識のようだ。だがSentinelはリビングに置いても決して威圧感を与えず、あくまでもひとつの家具として風景に溶け込んでいる。
アメリカでは、こうした製品の需要もあるのだ。
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■日本に輸入したら…
ちなみにこの製品を日本に輸入しても、ガンロッカーとしては使用できない恐れがある。
それは、日本でも散弾銃やライフル銃の所持は認められているが、アメリカとは違い厳格な保管方法を要求されるからだ。「どのようなロッカーを使っているか」も警察に提出しなければならず、物理的な鍵がないSentinelはそのあたりを指摘される可能性がある。
また、日本では銃と銃弾を同じ場所に保管してはいけない。これらは必ず別個にする義務があるのだ。
以上の理由で、日本人がSentinelを個人輸入して使用することには大きなリスクが伴う。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)