わからないから八つ当たり? 中高年のポケモン批判に物申す
リリースから2週間。いまだ、毎日のように話題に上るスマホゲーム「ポケモンGO」である。
「地元の知らない場所を訪ねることができた」
「運動不足解消につながった」
「引きこもっていたが外に出るきっかけになった」
などのプラス面がプレーヤー(トレーナーとも)の間で認識されてきた感がある一方、ゲーム中の「歩きスマホ」やそれによる事故などは盛んに報じられ、非プレーヤーを含めての市民権は、まだまだ得られていないようだ。
非プレーヤーとおぼしき人の中には、いわれなき憎悪をつのらせてか「当たり屋」じみた行為に出る人もいるようである。
■憎悪の果ての「八つ当たり」
信号赤で立ち止まる→スマホ見る→スマホしまう→青になる→渡る→自転車で突っ込んでくるジジィがいたので避けると「スマホ見るな!」と怒鳴られた
を体験した事があるので「歩きスマホ見たら体当たりしてやる」系の話は犯罪を犯したくて仕方ない人種の話だと思っている— 勇者よっしー (@yossiy7) July 26, 2016
ほかにも「歩きスマホには体当たりを仕掛ける」と豪語し実行に移している非プレーヤーもいるようだ。Twitterは匿名が常識とはいえ、いだだけない発言である。比較的、中高年層に多いと見受けられるが、気のせいではあるまい。
なんにせよ、ゆがんだ正義感をかさに着た私刑は犯罪行為である。
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■ポケモンGO=歩きスマホなのか?
ポケモンGOをプレーするためには、徒歩での移動がベスト。そのせいか、プレー中の「歩きスマホ」状態がマストになるという誤った認識の一人歩きも見られるが、実はプレー画面の注視は必要ない。ゲームを起動させたスマホを胸ポケットなどに収めておくと、モンスターと出会い次第、スマホが鳴って(または震えて)通知してくれる。
通知があったとしても、モンスターとの即時対決は求められていない。落ち着いてプレーできる場所を近くに見つけ、移動してから捕獲にかかればよい。
これらはプレーヤーの多くが認識を共有している事実である。すなわち「ポケモンGO」といえば歩きスマホ・歩きスマホといえば「ポケモンGO」と短絡的にとらえた意見は、「ポケモンGO」をよく知らない非プレーヤーの誤った認識がもたらしたものだといえよう。
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■若年層は「歩きスマホ」を明確に批判
アンケートサイト「マインドソナー」を用いての調査によると、「歩きスマホに何らかの規制を設けるべきだ」という人の割合は58%ほど。20代では約75%、30代では約65%と、若年層ほど「歩きスマホ」を批判的な目で見ているようだ。
一方、50代での割合は48%ほどにとどまる。若年層に比べ、「歩きスマホ」への意識が低いといわざるを得ない。
その割には、よくわかっていない「ポケモンGO」を歩きスマホの温床などと斬って捨てる様子は片腹痛く、なじみがない・詳しくないもの(=スマホ)に対する憎悪・嫌悪を「ポケモンGO」ブームに乗じて発散している感もあって興味深い。
全国紙の世論調査でも「(ポケモンGOなどの)ゲームに規制を設けるべきだ」とする50代以上が8割を占めるというデータが報じられている。
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(文/しらべぇ編集部・上泉純)