「震度6弱以上の地震の確率80%」実感がわく人の特徴
文部科学省内の地震調査研究推進本部から発表された最新の「全国地震動予測地図」(2016年6月10日発表)に、地域ごとの大型地震の発生確率が表されている。
それによると震度6弱以上の確率は、東京都庁周辺が47%で横浜市が81%。47%といえば約半分、81%ならばさらに起こる確率が高い。
しかし、これが30年以内という期間つきだからややこしい。危険度マップを発表しても、警鐘の役目を果たさなければ意味がないのだ。
そこでしらべぇ編集部では全国20~60代の男女に、「震度6弱以上の地震が起きる確率が30年間で80%以上」と居住地域が指定された場合、どれほどの危険の実感度になるかを探ってみた。
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■若い人は実感が希薄
「非常に実感がわく」「やや実感がわく」の回答の合計は全体で57.1%。2人に1人が実感がわくという。警鐘の意味は果たしているといえるが、先の熊本震災の翌月の調査なので、時の経過とともに実感度が落ちることはありうる。
年代別では年齢の高い層、そして男性よりも女性の方が「実感がわく」の回答が多い。
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■中産階級で実感が大きい
同じ調査結果を世帯年収別に点数化して集計したのが次のグラフ。
世帯年収が低いグループは実感度が低く、年収500~700万円をピークに以後、年収が高まるにつれて下降していく。
年収が低い層 = 裸一貫失うものはさほどない
年収の中間層 = 家も家財道具もそれなりにあり失うと再調達が難しい
年収が高い層 = 損失があっても再建できる資金的余裕がある
それぞれ、こんな考えによるのかもしれない。
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■家族の存在が大きく左右
地震危険度への実感度は、失うものの大切さと関連している結果に。そこで既婚・未婚、子供の有無で集計してみたのが次だ。
既婚者や子供がいる人の方が、同じ20~30代でも地震危険の実感度がより高い。とくに子供の有無が大きいことがわかる。
あらためて人間の家族を守ろうとする本能のようなものを感じさせる結果だ。震災対策や救援対策は心のケアも含め、子供たちに配慮してほしい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・谷葦夫)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年6月24日~2016年6月27日
対象:全国20代~60代の男女1,359名(有効回答数)