「蚊取り線香」って今どうよ?じつは人類の救世主だった

2016/08/10 19:00

deeepblue/iStock/Thinkstock
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地球温暖化で平均気温が高くなっている。海面の上昇による陸地の減少、異常気象による作物の被害などのほかに、人類の存在を脅かすおそれがあるのが「感染症の拡大」だ。

トラやライオンよりも、人類に対する最強のキラーは「蚊」だと言われている。それは、致死率の高い病原菌を媒介できるから。

「蚊」というと夏、夏というと「金鳥の夏」のCMを思い出す人もいるだろう。しらべぇ編集部では、最強キラーの「蚊」を駆除するのみならず、夏の風情をただよわす「蚊取り線香」の利用実態について調べてみた。


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■「殺虫・防虫剤」の支出が増えている日本の家庭

先日もニュースで「殺虫剤に耐性のある害虫が増加中」と報じていた。関連性は直接ないにしても、家庭における「殺虫・防虫剤」の支出は増えているのだ。

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黄色の折れ線グラフは家庭の消費の年間合計。給与の伸び悩みから消費の支出は右肩下がりになっている。その一方で「殺虫・防虫剤」の消費支出は増えており、デング熱の感染があった2014年にはピークに。

この年の晩夏は殺虫剤の品薄状態が続いた。


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■蚊取り線香の利用率に地域差あり

「蚊取り線香」を家庭で使っている率は全体で22.8%、年代別では20代の15.4%から年代の上昇とともに高まり、60代では31.9%に。

そして平均気温の高い日本の西部ほど、利用率が上昇するのだ。

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気温が高いほど発生環境が整うため蚊が増え、「蚊取り線香」の利用者も比例。もしも再びデング熱が危惧された場合、西に住んでいる人ほど気をつけなければならないということだ。


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■デング熱防止にも効果? 子供やペットへの影響は?

じつは「蚊取り線香」は、デング熱防止にかなり効果的

中に含まれている「天然ピレスロイド」という成分が媒介する蚊によく効き、アジアなどでデング熱の危険性のある国ではそうとうな需要があるという。

「蚊取り線香」自体は、昆虫類の神経を麻痺させるもので人間には無害だ。一方、鳥や爬虫類などと暮らしている場合は事前に調べることをお勧めする。犬や猫がいる人は専用タイプもあるので、そちらをチョイスしたい。

赤ちゃんにも成分的には問題がないとされている。しかし火を使うリスク、また気管支系に疾患がある場合を考えると、液体やマットの電子タイプを使うのが無難。

旅行や帰省先などでそれらが手元にない場合、蚊に刺されるよりは「蚊取り線香」を利用した方が賢明だ。


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■子供のいる世帯での「蚊取り線香」の利用率

まだ子供が小さい20代の世帯における「蚊取り線香」の利用率を示したのが次のグラフ。

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20代で子供がいる世帯では、全体の22.8%より高い利用率になっている。

ちなみに、世帯年収別に集計した結果では、利用率に差はなかった。クーラーもなく網戸も破れている部屋で「蚊取り線香」が焚かれているわけではない。

「蚊取り線香」の効果や利便性は、いまだに日本でも必要とされていると実感できる。

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(取材・文/しらべぇ編集部・谷葦夫

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