【リオ五輪】日本快挙の7人制ラグビー その醍醐味は
リオオリンピック男子7人制ラグビーで、日本が大活躍を見せた。「オールブラックス」として知られるニュージーランドに勝利したのだ。
ニュージーランドといえば、もはや説明不要のラグビー強豪国。白人と原住民の融和ですらもラグビーを通じて行ったという国だ。日本の子供たちが野球選手に憧れるように、ニュージーランドの子供たちはナショナルチームの黒いジャージーに憧れる。
もちろん、今回のオリンピックでもニュージーランドはメダル候補だった。そんなチームに、日本は堂々たる勝利を収めたのだ。
■すぐに終わる球技
7人制ラグビーは、15人制ラグビーよりも試合展開がシンプルで流動的。
人数は少ないがフィールドの広さは変わらないから、その分守備が薄くなり得点が得られやすくなる。また、試合時間は前後各7分ずつしかない。球技としては、極めて短時間で終わるのも大きな特徴。
だからこそ、観客としても「気軽に観戦できる」というメリットがあるのだ。旧イギリス植民地国では、週末になると7人制ラグビーのイベントがよく行われたりもする。試合時間が短いから、複数のチームを集めて大会をやっても1日で決着がつく。そうした要素も、7人制ラグビーの「人気の素」になっているのだ。
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■超攻撃的ラグビー
7人制の場合、15人制の試合よりもスクラムが小さく密着戦になる機会が少ない。勝利の鍵になるのは、絶妙なパス回しである。
後ろ手の正確なパスが相手を欺き、そのままトライにつながるという場面もしばしば。先述の通り守備が薄いから、ひとつのミスが相手の得点にすぐさまつながってしまう。
また、7人制では五郎丸歩のような「ボーズ」をする場面はない。キックの際、7人制の場合はボールを地面に立てるのではなく、その場で一度バウンドさせてから蹴る「ドロップキック」が定義づけられている。この方法でキックを成功させることは、非常に難しい。
ひとことで言うと、7人制ラグビーは「電撃戦」。じっくり試合を組み立てる時間がない分、その戦法は超攻撃的になる。膠着が起こり得ないのだ。
ルールを知らない人でも、その迫力を充分味わえる競技。7人制ラグビーは醍醐味に満ちている。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)