ファンが作った「メトロイドⅡ」リメイク作品が任天堂の警告を受け公開停止
1986年8月6日に発売された「メトロイド」の30周年を記念して、海外ファンが4年の歳月を費やして制作した『Another Metroid 2 Remake』が、任天堂から警告を受け公開を停止した。
同じくゼルダの伝説の30周年を記念したファンメイド作品『Zelda 30 Year Tribute』も任天堂から削除要請を受け、少し前に遡れば海外ファンによる「クロノ・トリガー」続編プロジェクト『Chrono Trigger: Crimson Echoes』もスクウェア・エニックスから差止めを受けている。
数年がかりでトリビュート作品を作っても企業から歓迎されないのは当たり前。それでも熱心なファンたちがこのような作品を作り続けるのは何故なのだろう?
画像をもっと見る■リメイクを公開直後の警告・削除
Another Metroid 2 RemakeことAM2Rは、ゲームボーイで発売された『メトロイドII RETURN OF SAMUS』のリメイク作品。
モノクロだった画面はフルカラーになっており、斜め撃ちやミニマップなどの機能も充実。ちょうどスーパーファミコンの『スーパーメトロイド』のような感覚で“Ⅱ”をプレイすることができる。
だが、任天堂はファンの情熱を認めつつも自社のIP(知的財産権)を守る必要があるとしてこのプロジェクトに対して警告を行い、AM2Rは公開直後にインターネットから姿を消した。
関連記事:イジワルコース満載の『スーパーマリオメーカー』を実写化すると酷い
■企業としては当然の対応?
数年がかりで作られたファンの努力が無になってしまうのは寂しい気もするが、冷静に考えるとこうした任天堂などの対応は至極当然。
自社のコンテンツ(キャラクターや商標)を利用したファンメイドプロジェクトは、お金を取ろうが取るまいが「海賊版」であることに変わりはない。
いわばクオリティの高い力作ほど本家の商売のジャマになってしまうわけで、これを放置することは自社コンテンツに対する怠慢とも言われかねない。
関連記事:事故で片腕を失った男性がコナミ製の義手でサイボーグ忍者に生まれ変わる
■作りたいという気持ちは止められない
十中八九差止めを受けることがわかっているのに、どうしてファンたちはこうした作品を作り続けるのだろうか?
これだけの技術力を持っているならば、名前やキャラクターを変えて「オマージュです」と言っておけば双方角が立たないのに、とも思う。
だが、それをしない理由は作品に対する尊敬や敬意、愛情であったりするのだろう。そしてそういった感情こそが「モノ作り」をする上での原動力なんだろうなぁ。
参考リンク:AM2R
あわせて読みたい→海外の「ドラゴンボール」トリビュートアニメがカオスすぎる
(取材・文/しらべぇ編集部・びやじま)