人は「天然ウナギ」と養殖ものを見抜くことができるのか

鯛やヒラメ、ブリ、サーモンなど、魚を養殖する技術の進歩はめざましい。近年は、「近大マグロ」を始め、本マグロまで完全養殖(養殖下で産まれた卵を孵化させて成魚に育てる)が実現している。

もうひとつ養殖魚の代表格が、ウナギだ。ウナギの完全養殖は2010年に実験室レベルでは成功しているものの、商業的には、稚魚であるシラスウナギを捕獲して育てるしかない。

そして、成魚まで自然の中で育った「天然ウナギ」は激レアな高級食材だ。


 

■「日本最後の清流」と呼ばれる四万十川

四万十川

日本最後の清流とも呼ばれ、鮎や川ノリなど豊かな恵みでも知られる高知県の四万十川は、良質な天然ウナギでもよく知られる。

そのほとりにある川漁師直営のお食事処が、『四万十屋』だ。

四万十屋4

あの人気グルメ漫画『美味しんぼ』にも登場している。

美味しんぼ

店内には、目の前で獲れた天然ウナギが泳ぐいけすも。

天然ウナギ


 

■天然・養殖はわずか880円の差

四万十屋1

こちらの鰻重は天然・養殖から選べるが、産地直送・漁師直営のためか値段は880円しか変わらない(シラスウナギの激減によって、養殖ウナギの価格も高騰している)。

そこでしらべぇ取材班は、両方を注文してどちらかわからないようにお店の人に持ってきてもらい、見分けることができるのか、実験してみた。

目の肥えた読者のみなさんも、参加してみていただきたい。


①ひとつめの鰻重

鰻重3


②ふたつめの鰻重

鰻重2


■ふたつの鰻重を並べてみた

鰻重

さて、どちらが天然でどちらが養殖か、見た目で区別がつくだろうか?


答えは、左が天然で右が養殖。脂のノリは養殖のほうがややよく、皮と身の間にも脂が詰まった印象。歯ごたえは天然もののほうがややしっかりめ。

脂の少なさと身の締まりから、天然ウナギのほうが「魚っぽい」印象だった。養殖は我々が慣れ親しんだウナギらしい味。養殖も決して天然に引けを取ってはおらず、技術の進歩を感じさせる。

ちなみに取材班2名は天然・養殖の違いはすぐにわかったが、天然派・養殖派の好みは分かれた。


■養殖ものもこだわりの逸品だった

養殖うなぎ

四万十屋で使われている養殖ウナギは、高知県土佐市で育てられた「地然鰻(じねんうなぎ)」というブランド。できるだけ自然に近い環境で養殖されているそうだ。

高知市の中心部からは距離があるが、だからこそ守られたとも言える四万十川の自然と恵み。味わいに足を伸ばしてみては、いかがだろうか。

【四万十屋】
住所 高知県四万十市山路2494-1

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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト

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