コンサート会場に「はしか」患者 ワクチン未接種者は要注意
ずっと前から楽しみにしていたコンサート。ちょっと体調が悪いが、無理してでも行きたい…そう思ってしまう人もいるだろう。
ただ、それが感染力の高い病気だったら? そんなことが、実際に起きてしまった。
■はしか患者が…
8月14日に幕張メッセで行われたジャスティン・ビーバーのコンサートに、39度の熱をおして参加した男性。イベント終了後に病院で診察を受けたところ、「はしか」と診断されたという。
VIPスタンディングは24000円、S席は12,000円とかなり高額なチケットだが、完売。国際展示場1~3が会場であり、かなりの収容人数だ。
その男性は兵庫県から参加。新幹線などの移動も含め、どれだけの人と接触したか想像もつかない。
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■はしかの特徴
38℃前後の風邪のような症状が3~4日続き、いったん下熱。半日ほどで再び39~40℃の高熱が出て、発疹が全身に出現する。合併症が起こりやすく、重症化すると最悪の場合、死亡することも。
独立行政法人 国立国際医療研究センター病院 国際感染症センターがFacebookで男性の症状を発表。
8月9日 39.1℃の発熱
8月13日から全身に発疹
8月13日~15日 東京・神奈川訪問あり
8月14日 幕張メッセで開催されたコンサート(ジャスティン・ビーバー)に参加
8月19日 麻疹と診断
全身に発疹がある状態で東京・神奈川に行き、コンサートに参加…普通に考えれば、ありえないだろう。
はしかの感染力はかなり強く、感染経路は空気感染・飛沫感染・接触感染と多岐にわたる。病院の待合室で別の患者から感染してしまうこともあるほど。
症状を抑えたり、かかりにくくするには予防接種が一番効果的だ。1歳、小学校入学前に2度予防接種を受けることで免疫ができる。だが、受けていない人もいるだろう。
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■妊婦への影響
妊婦が風疹にかかると、赤ちゃんに障害などの影響を及ぼす可能性があることは有名だ。
しかし、はしかでも大きな影響がある。早産、流産の危険性だ。はしかにかかった妊婦の3割が、早流産をしてしまったというデータも。
会場や移動中に、妊婦がいたら…そしてその人が、予防接種を受けていなかったら…考えるだけで恐ろしい。
自分もはしかにかかっているのでは? と思ったら、なるべく早く病院を受診すべきだ。その際、事前に連絡を入れて受診方法を忘れずに確認しておこう。マスクも忘れずに。
自分自身が感染源にならないよう、注意したい。
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(取材・文/しらべぇ編集部・たつきあつこ)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年7月22日~2016年7月25日
対象:全国20代~60代の男女1376名(有効回答数)