震災の際など「不謹慎狩り」に不快感?被災地でも温度差が…
熊本・大分を襲った巨大地震から、4ヶ月が経過した。東日本大震災が起きてからは、まもなく5年半となる。
震災直後とは、世の中のムードも大きく変わっている。しかし、地震や天災など大きな不幸の際に必ず起きるのが、他者の行動や発言への「不謹慎だ!」という指摘・批判だ。
とくにソーシャルメディアが普及して以降、芸能人・著名人や企業・メディアなどによる行動や情報発信が、一般ユーザーの袋叩きに遭う事態が目立つ。
いわゆる「不謹慎狩り」などと呼ばれる現象だ。一方でネット上には、「不謹慎狩りに批判的なユーザー」も見られる。
こうした傾向について、世間はどのように感じているのだろうか。しらべぇ編集部は、全国20〜60代の男女1,358名に調査を実施した。
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■全体の4割が「不謹慎狩り」に不快感
男女ともに4割以上が「不謹慎狩り」に不快感を覚えていることがわかる。ただし、不快に感じない人のほうが多数派であり、世論が大きく二分されている状況。
不謹慎狩りやそれに対する批判が、ネット上で議論を呼ぶ背景が伺われる数字だ。
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■被災地に近い人たちの印象は…
ちなみに、「被災地」に近い人たちはどのように感じているのだろうか。全国平均と「東北エリア」「九州エリア」の回答をそれぞれ比較してみたところ…
震災から5年以上が経過した東北6県の平均は、全国を上回り、5割が不謹慎狩りに不快感を覚えている。
一方で震災から日が浅い熊本・大分を含む九州・沖縄地域の平均値は、「不謹慎狩り不快派」が4割を下回った。
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■「自粛」を求めない被災地の声も
東日本大震災の直後は、すべてのテレビCMがAC(公共広告)に差し替わり、卒業式・入学式が中止になるなど、日本中が「自粛ムード」につつまれた。
そんな中、「お花見の自粛」に対して岩手県の日本酒蔵元たちが訴えた「自粛よりも被災地産品の消費で応援を」というメッセージは大きな共感を呼んだ。
被災者や一般ユーザーを含む誰もが情報発信できるソーシャルメディア時代。大きな不幸に襲われたときに私たちがどのように行動するべきか、ひとりひとりに問いかけられている。
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(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年6月24日~2016年6月27日
対象:全国20代~60代の男女1,358名(有効回答数)