消えた「マルカン」大食堂 クラウドファンディングで復活へ

2016/09/01 11:00

(写真は「マルカン百貨店」Webサイトのスクリーンショット)
(写真は「マルカン百貨店」Webサイトのスクリーンショット)

今年6月に惜しまれつつ閉店した「マルカン百貨店」(岩手県花巻市)の大食堂を復活させようと、有志が同店復活に特化した企業を設立。クラウドファンディングで資金協力を求め、目標を達成した。



 

■「マルカン百貨店」とは?

©フォト蔵
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マルカンは、1973(昭和48)年にオープン。人口が10万人に満たない小都市・花巻で43年間にわたり愛されてきた。とりわけ大食堂の人気は高く、売り上げの多くを占めていたという。

人気メニューは、高さ25センチの「ソフトクリーム」(180円)。その巨大さから箸で食べることが推奨されてきた。メディアにもたびたび取り上げられたことから、そびえ立つソフトクリームの様子に驚いたことがある人も多いのではないだろうか。

ほかメニューでは、ナポリタンととんかつがひと皿で味わえる「ナポリカツ」や、昔ながらの「マルカンラーメン」なども人気を集めていた模様。昭和レトロな雰囲気も相まって、地元の憩いの場としてにぎわっていたようだ。


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■閉店、その理由は?

地方の百貨店は、ショッピングモールなどに押されて、集客に陰りが見えたことを理由に廃業や閉店することが多い。ただしマルカン百貨店の場合は「建物の老朽化」「耐震補強工事の費用」が理由だった。

建物の風情と安全性を両立させるのは、簡単なことではないようだ。


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■クラウドファンディングで復活目指す

©写真AC
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マルカン百貨店の場合、現代の建築基準に合致させるためには、約6億円が必要。そこでマルカンの運営引き継ぎを目指して有した地元企業の花巻家守舎は、クラウドファンディングを用いて耐震補強工事費用の一部をまかなおうともくろんだ。

クラウドファンディングとは米国発のシステムで、インターネットを通じて不特定多数の人が資金を支援することができる仕組みのこと。期間内に目標額に達しなかった場合は不成立となり、支援金は支援者のもとに戻される仕組みになっている。

成立すると支援者には「リターン」と呼ばれる返礼品を受け取れる。 今回は、100万円の寄付に対して「ソフトクリーム無料券10枚」や飲食が10年間全品10%オフになる「大食堂プラチナカード」などファンにはたまらないリターンが設定されていた。

とはいえ目標額2億円のうち1億8000万円は、花巻家守舎が自ら投入した「自己投資」。実際に集まったのは2000万円ほどに過ぎない。今後の成り行きには注目したいところだ。

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(文/しらべぇ編集部・上泉純

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