【救急の日】誰かが突然倒れたら?現役内科医が応急対処を解説
2016/09/09 06:30
9月9日は、ちょっと渋いが「救急(9・9)の日」。
あなたは、道端で突然誰かが倒れたとき、ためらわずに心肺蘇生法を実施できるだろうか?
人工呼吸は心理的ハードルが上がってしまうかもしれない。しかし、じつは心臓マッサージだけでもOK。
■目のまえでひとが倒れたとき心臓マッサージをできる自信がある?
しらべぇ編集部が調査したところ、全国1,378人のうち、「目のまえで人が倒れたとき、心臓マッサージをできる自身がある」と答えたのはわずか9%台。
職業別では、公務員が21.1%と断トツに高い傾向にあった。おそらく講習会があるのだろうか。
とっさにやってくる緊急事態に備えて、心肺蘇生の流れを現役内科医である記者と一緒におさらいしよう!
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■心肺蘇生法をおさらいする
①自分の安全を確保したら、まわりに救急車とAEDの手配をお願いする
大きな声で、誰に依頼したかを明確にすることが大切。「そこのかた」と指定することで、自分が動かなければ! と相手に思ってもらうことができる。
AEDは致死的な不整脈が起きている場合に、自動解析し電気ショック(除細動)を行ってくれる機械。公共施設などで壁に備えつけられている。
②呼吸が普通でなければすぐに心臓マッサージを開始
本当に心臓が止まっているか自信がなくとも、とにかく圧迫をはじめるよう推奨されている。
圧迫するときのコツは、強く(胸が5 cm程度沈むように)、はやく(100〜120 回/分)、絶え間なく。
これらをしっかり守ると結構疲労する。協力者がいる場合は交互にやろう。
③もし可能なら人工呼吸
以前とちがうのは、人工呼吸ができないときは無理をしなくてもよいとされていること。行なう場合は心臓マッサージ30回に人工呼吸2回が目安。
④AEDを装着し、必要あれば除細動
電源を入れるとガイド音声が流れる。除細動ボタンを押すときは、患者さんから離れるようまわりへ伝えよう。
除細動が終わったら(あるいは必要がないと判断されたら)、心臓マッサージに戻る。
救急隊が到着するまで、心肺蘇生とAEDの流れを繰り返してください。
救命率は、心臓が止まってから1分ごとに約10%ずつ低下する。救急車到着までの平均時間は8.6分なので、命を救えるかどうかは、病院に着くまえに決まるといっても過言ではない。
細かい知識は記憶から抜け落ちてしまうので、とりあえずは「強く、はやく、絶え間なく心臓マッサージ」と覚えておこう。
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(文/しらべぇ編集部・青木マダガスカル)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年5月20日~2016年5月23日
対象:全国20代~60代の男女1378名(有効回答数)