汚染対策「盛り土」で問題発覚 築地市場の豊洲移転に疑問を感じる割合は…
1935年の開設から80年を超える歴史を誇り、全国、さらに世界中の産地と首都圏の胃袋をつないできた築地市場。
水産物の取扱高では世界最大級の市場で、「築地」の名は寿司や鮮魚などの品質をあらわすブランド。外国人観光客が数多く訪れる、一大観光スポットでもある。
■2016年11月に「豊洲移転」の計画だったが…
しかし老朽化などにともない、1995年から移転や再整備(建て替え)が検討され、2001年には豊洲への移転が決定している。
ところが、移転予定地は東京ガスの工場跡地であり、土壌が発がん性の高いベンゼンなどで高濃度に汚染されていることが判明。
汚染された土壌を撤去し、盛り土をするなどの対策を施したうえで新市場の施設を建設し、今年11月7日には豊洲移転が予定されていた。
この土壌汚染対策には、およそ858億円もの税金が投入されている。
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■都の発表と異なり「一部に盛り土なし」
しかし、建物の下部には実際には盛り土がされておらず、地下の空洞には地下水が漏れだしたと見られる水たまりがあることも判明。
小池百合子都知事は、就任早々、大きな課題に直面することとなった。
しらべぇ編集部では、今回の「盛り土問題」が報じられる前の8月末、全国20〜60代の男女1368名を対象に「築地市場の移転問題」について調査を実施。
その結果、全体の39.5%が「豊洲移転には問題がある」と回答した。年代別に見ると、2〜30代の問題意識は低いが、5〜60代ではおよそ5割が問題と感じていることがわかる。
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■首都圏の問題意識も高い
今回の調査結果を、築地市場になじみが深い1都3県の住民519名に絞ってみると、全体平均を大きく超え、埼玉や東京ではおよそ5割が問題を感じている。
繰り返すが、この調査は「盛り土」「地下水の漏れ」などが報道される前の時点で行なったもの。現段階では、より多くの人がリスクを感じている可能性が少なくない。
「築地」はひとつのブランドだ。ブランドは、その所有者と世間・生活者をつなぐもの。
世間の信頼や評価を失えば、あっという間に失墜し崩壊したブランドが、限りなくあることを覚えておきたい。
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(文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年8月26日~2016年8月29日
対象:全国20代~60代男女1336名(有効回答数)