あの空海を超えた?ご利益がすごい「生き仏」が山形にいる

2016/09/20 18:00

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近年、パワースポット巡りとして空海にゆかりのある四国八十八ヶ所の霊場を巡拝する「四国遍路」が話題になっている。

空海といえば、歴史の教科書に必ず出てくる真言宗の開祖。晩年には悟りを得るための究極の修行「入定」を行ない、その魂は永遠に生き続けているとも言われている。

そんな「伝説の師」空海のご尊体を拝することは、現代に生きる私たちにとって叶わぬ夢.…..。

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と思いきや、空海をもしのぐほどの難業苦業を乗り越え「即身仏」となった上人が、東北山形の秘境にいるらしい。

そして、そのご利益を求め日本中から参拝客がやってくるというのだ。


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■生きながら土に入る「即身仏」とは

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真言密教の根本思想であり、その最終的な目標とされているのが「即身成仏」という考え方。

これは「対日如来との一体化により現身のまま仏陀になる」ことを意味する。空海も生身のまま土中入定することで、即身成仏を体現したのである。

しかし、それには極限までの食事制限と、屈強な精神が必要不可欠。

心臓が止まってもなお身体を朽ちさせないように、穀物を一切絶ち、木食行(木の実のみを食すこと)を行い、脂肪をそぎ落とすのである。

そして終いには、なんと漆の汁を飲み、内臓に含まれる水分をも枯渇させ、土に入るのだ。

空海に関しては今なお多くの文献や説話が残り、その身体の在り処についてさまざまな憶測が飛び交っている。

というのも、即身仏になった空海の姿を見たという人が誰もいないからだ。

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そんな空海が成し得なかった「完全なる」即身仏となった僧侶は日本でただひとり、それが山形にある湯殿山大日坊の代受苦菩薩真如海上人だ。

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画像は湯殿山大日坊HPのスクリーンショット

上人は70年以上木食行などの修行を積み重ね、96歳で土中入定し即身仏となった。今日まで約220年以上もの間、入定そのままの姿で存在しているのである。


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■6年に一度の衣替え、その衣はお守りに

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上人が身につけている衣は、6年に一度大日坊の住職が新しいものに取り替えている。そして古い衣を小さく裁断し、お守りとして参拝客に頒布している。

そしてこのお守り、たいそうなご利益があるらしい。

なんでも、「手術をする母の夢の中に上人が現れ、無事手術が成功した」、「東日本大震災でお守りを持った漁師たちが大勢助かった」など、全国各地から多くのお礼の手紙が届くのだそう。


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■全国でもまれにみる「即身仏王国」山形

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現在日本全国には全部で24体の即身仏・ミイラ仏がいるが、そのうちの9体が山形県の寺院に存在している。

そして、とりわけ6体が湯殿山大日坊のある酒田・鶴岡地区に点在しているそう。

また一般に、即身仏はミイラ仏とよばれることもある。しかし、両者はまったくの別物だという。

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ミイラとは、第三者が死後に脳や内臓を抜き、それによって防腐を施した身体。

一方即身仏は、上述した食事制限を行ない、生きながらにして自らを朽ちない状態へと変化させた身体である。

正式な即身仏は大日坊の代受苦菩薩真如海上人だけで、ほかの23体はミイラ仏なのだそう。そんな尊い「生き仏」を、一生に一度は拝んでみてほしい。

(取材・文/しらべぇ編集部・かずきち

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