「そこに座るのは失礼!」上座・下座を完璧に理解している?
日本には「どうでもいいじゃねえか」と吐き捨てたくなる「マナー」が多数存在する。とくにビジネスの世界ではまどろっこしい決まりが多く、嫌になってしまう。
そんな細かいマナーのなかでも、特に複雑なのが「上座・下座」の文化だ。上位者が上座に座ることは理解できるのだが、どこが上座にあたるのかがわかりにくく、間違えてしまうことも多い。
■上座・下座を理解しているのか?
では、上座・下座の位置関係を理解できない人はどれくらいいるのか。しらべぇ編集部では全国の男女に聞いてみた。
結果、「できない」と答えたのは1割から3割程度。やはり若い世代ほど割合が高くなり、中高年になるほど低くなる。そして男性より女性のほうが理解しているようだ。
ちなみに、一般的に会議室などでの「上座」は入り口からもっとも遠い席とされる。さらにタクシーなどでは、運転席の後ろが上座で、真ん中が下座となる。
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■将棋界では譲りあいも発生
上座下座の文化を厳正に守っているのが将棋界だ。テレビ・ネット対局を除いて基本的に上位者が上座に座るものと決められている。
上位とはタイトルの有無、段位、棋士番号が上である者を指す。両者と同段である場合は、棋士になった際に与えられた番号が若い人間が上座に座る。
しかし、段位が下の歳上棋士と対局する場合、上位であっても上座を譲ることが。それをうけた棋士は「いやいや、あなたがどうぞ」と下座を選択し「譲り合い」になることもしばしば。
昨年行われた王将戦挑戦者決定リーグでは、将棋界の第一人者羽生善治三冠(当時名人)が対局相手で20代後半の糸谷哲郎八段(当時竜王)に上座を譲り、「そう言われましても」と必死に譲り返す一幕も。
結局羽生名人が上座に座ることで落ち着いたのだが、糸谷八段としては気持ちの悪い時間だったかもしれない。
ちなみに将棋では上位者が駒箱をあけ「王」を、下位が「玉」をもつ決まりがあり、対局後の駒も上位が片付けることになっている。
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■恥をかいたことのある人に聞いてみた
上座下座が理解できず恥をかいたことがあるというAさんに話を聞いてみた。
「現在転職活動でいろいろな企業をまわっているのですが、面接の際に会議室に通されて『座ってお待ち下さい』と言われることが多くて。『どこでもいいや』と思って適当に座っていたら、ある会社で『君は失礼だねえ、上座も知らないのかい』と怒られ、落とされました。
それからネットで調べてなんとなく理解はできたのですが、なんだか怖くなってしまって。それからは席に通されてもずっと立って待つようになりました。個人的にはそんなの「ど~でもいいですよ~」という感じですが、気にする人も多いようなので…」
気にする人がいる以上は、理解しておく必要がありそうだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年9月23日~2016年9月26日
対象:全国20代~60代の男女1365名(有効回答数)