縮む原付市場 ホンダとヤマハ、タッグ組み延命を模索か
オートバイメーカーの本田技研工業とヤマハ発動機が10月5日、日本国内の50cc原付スクーターや電動二輪車を含めた「原付一種」領域での協業に向けた業務提携について検討を開始したことを発表した。
■原付一種とは?
原付一種とは道路運送車両法が定める「総排気量50cc以下のエンジンまたは定格出力0.60kW以下の電動モーターを搭載する二輪以上の乗り物」のこと。業務提供では、「50ccスクーターのOEM供給」「50ccビジネススクーターの共同開発・OEM供給」「原付一種クラスの電動二輪車普及に向けての協業」の3つを柱に検討を進める。
1980年代のHY戦争とも呼ばれたホンダとヤマハの開発競争が記憶に残る古参ライダーの中には、往年のライバル同士がタッグを組んだことに驚く人も多いのではないだろうか。
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■縮む原付バイク市場
現在、原付バイクの市場は最盛期の2割程度まで縮小しているといわれる。人口減による若い原付ライダーの減少や、原付が使われてきた近距離の移動に電動自転車という新しい手段が加わったことなどが大きいのだろう。
売れない製品が市場から消えるのは当然だが、あえて元ライバル同士が協業する理由は、「原付二輪界を守る」ひいては「生産し続けることが社会に対しての責務」という考えが根底にあるのかもしれない。
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■原付バイクに物申す
一方、地方では近場の足に高齢者が、年代物の原付スクーターを愛用しているケースも多く見られる。
概して高齢者は安易な買い換えを嫌いモノを大切にする傾向があるが、それも昔のスクーターがしっかりした作りで耐久性に優れているからこそだ。現行の新モデルは耐久性への割り切りが大きすぎて、長持ちしそうにない。
生産し続けることが責務だとすれば、車両の耐久性を高めたり「古い車両でも修理を繰り返しながら長く乗ることができる」体制の構築にも力を入れてほしいところだ。
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(文/しらべぇ編集部・上泉純)