人はなぜバレバレのウソをつくのか?心理カウンセラーが分析
人間はなぜバレバレのウソをつくのか、不思議に思ったことがある人は少なくはないはずだ。
あなたはインターネットを利用したことがありますか?
— 物書きモトタキ (@motoyaKITO) September 29, 2016
記者がツイッター上で2016年9月29日から10月6日にかけて「あなたはインターネットを利用したことがありますか?」と調査したところ、549人のうち18%がインターネットを利用したことがないと答えた。
あきらかなウソである。どんな心理が彼らをこういう行動を促したのだろうか。
心理カウンセラー・園絵氏は、『心理的リアクタンス』の力が大きいのではないかと語る。しらべぇ取材班がくわしく聞いた。
■そもそもバレバレのウソをつく心理とは
心理カウンセラー・園絵「相手の話を冗談と受け取ると、自分の脳が冗談を喋って大丈夫だと判断するケースがあります。
その場合、人間関係を円滑に保つために、ユニークなネタに走ることがあります。非日常を好む人ほど、そういうバレバレのウソをつく傾向があるといえます。
親密な関係であれば、そうしたウソはつきやすいのです。しかし、逆に匿名性の高い、つまり個人を特定されない状況でのやりとりであっても、この手のウソをつく人は多くなります」
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■『心理的リアクタンス』とは?
心理カウンセラー・園絵「そもそも、匿名性が保たれていない場では、同調心理が働きます。心理用語で、多数派の意見に合わせる心理のことです。
対面であったり、周りの目があったりするほど、多数派の意見に同調します。
しかし、匿名性の高いネットコミュニティでは、同調心理が必ずしも働くとは限りません。もちろん、ネットでも多数派の意見に流される場合は、同調心理が働いているのだといえます。
同調心理とは別に、心理的リアクタンスが強く働きかけるケースもあります。これは反発精神と言い換えることもできます。
多数派の意見に埋もれたくない、少数派に傾きたい、没個性でありたくないとそう思う人ほど、少数派の意見を選びがちです。
結果、インターネットを利用しながらのアンケートであっても、インターネットを利用したことがないというありえないウソをついてしまうんです」
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■冗談の落とし穴
心理カウンセラー・園絵「自分は冗談と思っていても、相手が真剣を求めているケースはあります。その場合は、相手を怒らせてしまうこともあります。
とっさに冗談だからと言い張りたくなるのは、とまどいと困惑に自分の心を支配されてしまうからです。パニックに陥っているんです。あるいは謝罪するほどではないと自己解決してしまうこともあります。
だが、相手の心を傷つけてしまっているのは事実です。冗談のつもりであっても、相手に冗談として受け取られなかった場合は、その旨をきちんと説明して、すみやかに謝罪をすることが好ましいと思います」
匿名性の高いネット社会では、冗談をいうハードルが下がっているようだ。しかし、冗談だと思っているのは自分だけというケースは多々ある。
相手を傷つける言葉を軽率に放ちやすい環境であるからこそ、もし失敗してしまったときは真摯に謝罪する精神を身につけたほうがよいのだろう。
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(取材・文/しらべぇ編集部・モトタキ 取材協力:心理カウンセラー園絵)