【閲覧注意】密猟され剥ぎ取られた「象の皮膚」は中国へ…
国際協力によって野生動物を保護するワシントン条約が発行されてから40年以上。しかし、世界では稀少な生物を狙った密猟がなくならず、絶滅危惧種は年々増加している。
気分を害する方もいるかもしれないが、こちらの画像をご覧いただきたい。
これは、被害にあったミャンマーの熱帯雨林に生息するアジアゾウ。
現在、ミャンマーには野生のアジアゾウが4000頭ほど生息しているそうだが、今年に入って50頭以上が密猟によって命を落としている。
なぜ絶滅の危機にあるアジアゾウを狙うのか?
■象の皮膚が「漢方」に
じつは、密猟者が狙うのは「アジアゾウの皮膚」。画像でも象の皮膚の一部が切り取られているのを確認できる。この切り取った皮膚は、中国へ密輸されていく。
なぜなら中国では象の皮膚が医療目的で珍重されており、1kgあたり45ポンド(約5900円)の値がつくのだ。
もちろんアジアゾウは絶滅危惧種に指定されているので、国際的にも取引は禁止。
しかし、ミャンマーに暮らす人々の平均月収は8000円ほど。大金を得るためブラックマーケットに足を踏み入れる人が後を絶たない。
しかも、象の皮膚の需要は中国国内で年々増加しており、飛ぶように売れていくという。
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■日本では使われていない
中国へ医療目的で輸出されている象の皮膚だが、日本でも漢方薬として取引されているのではないだろうか?
詳しい現状を知るため、しらべぇ編集部は日本漢方生薬製剤協会の広報担当者に話を伺った。
Q.医療目的で中国へ象の皮膚が密輸されているのはご存知でしたか?
「それは知りませんでした。
と言いますのも、漢方医学とは日本の伝統医学のことで、中国から日本に伝わった医療の知識が独自の発展を遂げたものです。
一方、中国の伝統的な医学は中医学と呼びます。
ですから、漢方医学と中医学は共通する部分もありますが大きく異なり、漢方では動物由来の生薬があまり使用されません」
Q.日本で象の皮膚が珍重されることはないのですか?
「サイのツノやトラの骨などが医療目的で密売されているとニュースで取り上げられることもありますが、それらは中国向けで、日本の漢方では聞いたことがありません」
なるほど、日本がミャンマーでの密猟に加担していることはないようだ。
しかし、アジアゾウの皮膚を巡って一部の中国人とミャンマー人の需要と供給が一致している。被害はすぐになくなりそうもない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・狐月ロボ)