自殺する若者に説教するイラストが話題 「社会に出ればもっと…」
ベランダや学校の屋上など、高所から転落死する子供のニュースは、悲しいことに定期的に我々の耳に入ってくる。
事故もあるが、自ら命を絶つことを選んだ場合も多く、残された人々はさまざまな後悔を背負うことになる。
しかし、果たしてどうすれば「強く生きれるのか」「人生をうまくやっていくのか」は未だに結論の出ない問題であり、励ましのつもりが結果的に立場の違う相手を傷つけてしまうこともある。
16日、とあるツイッターユーザーの投稿が、大きな注目を集めている。
■「社会に出ればもっと辛いことがある」はNG?
17日24時現在、9,900RTを超えて拡散されている以下の投稿。
「つらい」と自殺していく若者と「社会に出ればもっとつらいことが沢山ある」と説教する大人の図つくりました pic.twitter.com/R4QviSqKaD
— れもみる (@lemomil) 2016年10月16日
「『つらい』と自殺していく若者と『社会に出ればもっとつらいことが沢山ある』と説教する大人の図つくりました」という文章。
イラストでは大人と子供では辛さに対する許容量が異なるため、大人にとっては大丈夫なことでも子供はキャパオーバーになってしまうことが端的に表現されている。
たしかに、人間さまざまな経験を積めば、多少のことでは動揺しなくなっていくもの。
思春期が傷つきやすく不安定なのも、「人生経験不足」という、彼らの年齢ではなかなか避けて通れないことが一因だろう。
僕が言いたいのは「つらさの限界値が高い大人の方が偉い」なんて阿呆みたいな話じゃなくて、「つらさの感じ方も状況も限界も各々で全く異なるから気安く他人のつらさを推し量ってものを語らない方がいい」って話です
— れもみる (@lemomil) 2016年10月16日
その後、ツイート主は上記のように追記し、このような説教は「大人と子供」という構図だけでなく、もっと普遍的なものであると伝えた。
この投稿には他のユーザーからも「納得した」「わかりやすい」「その通り」など、賞賛の声が寄せられている。
関連記事:自殺まで考えた…「自分の人生を変えた」傷ついた言葉4選
■想いがこもっていれば届くわけではない
上記の「社会に出れば~」という発言は、本人としては「そんなことでくじけてるようじゃ生きていけないよ。だからなんとか今を乗り越えよう!」という親切心なのかもしれないが……
現在進行系で苦しんでいる人にとっては、「ダメ人間」認定をされているように感じてしまう可能性が高い。
そもそも、説教やアドバイスといったものは常に相手の立場に立って行なわれるべきものであり、伝え方を間違えれば、意味がないどころか逆効果になってしまうものなのだ。
実際、説教がマイナスに終わってしまうケースも少なくないようで、しらべぇの調査では4割近い人が「想いのこもった説教ほどウザく感じる」という結果が出ている。
決して価値観の押し付けをせず、話をしっかりと傾聴し、相手の存在そのものを認める……
これらはコーチングの基本だが、基本であると同時に行なうのは容易ではないこともまた事実。
デリカシーのない言葉で最後のトドメを刺さないためにも、悩み苦しんでいる人を追い込むような発言は避けるようにしたい。
・合わせて読みたい⇒命の危険も…「夏休み明け」の子供の様子に注意を払おう
(取材・文/しらべぇ編集部・クレソン佐藤)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年12月22日~2015年12月24日
対象:全国20~60代の男女1353名(有効回答数)