ハッスル? ファイト? 「がんばれ」の意味に合う英語がなかなかない件
英語圏では使われ方が全然違う?「ハッスル」の意味について調べてみた
今年もノーベル文学賞を取り損なった、俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。
このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。
■「ハッスル」ってどういう意味?
先日、友人とイベント「七転びハッスル」を開催した際、勢いで名前をつけてみたものの、「ハッスル」の正確な意味がわからないことに気づき、いまさらですが調べてみました。
「頑張る!」や「張り切る!」と、いったニュアンスで使っていたハッスルですが、あくまでも日本でのみ通じる意味であり、英語のhustleは「ごり押し」や「乱暴に押しのける」などの意味。
海外では風俗の客引きが使うスラングだったため、NHKでは放送禁止用語とされていた時期もあったとのこと。
お姉さんのいるお店で終了時間が近づいてくると流れる、あの謎のアナウンス「ハッスルタイム」は、最後にもうひとがんばりしてくれているのではなく、強引に押し切られていたという衝撃の事実も発覚しました。
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■「ファイト」は「がんばれ」の意味ではない
スポーツの応援などで、よく使われる「ファイト!」も「戦え!」であり、「頑張れ」とは、若干ニュアンスが違います。
「がんばれ!」に該当する英語は存在しないのでしょうか?
「Go for it!」や「Keep it up!」などがニュアンスとしては近いようです。しかし、どちらも「そのまま行け!」の意味であり、「頑張れ」の持つ「頑な(かたくな)」の部分の意味が若干弱い気がします。
もはや「ガンバ!」を英語圏に持ち込んでしまえばいいのではないかと、調べたところガンバ大阪の「ガンバ」は、日本語の「がんばる」だけではなく、イタリア語で「脚」を意味する「gambe」から由来していました。
やはり現状「ハッスル」がもっとも「がんばる」に近いニュアンスの英語になるのでしょうか?
ここですてきな造語でも作ることができれば、ノーベル賞とまではいかずとも、流行語大賞ぐらいはとれるのかなぁ。
(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)