「食欲の秋」ストレス抱える人ほど季節関係なく一年中空腹に
「読書の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」と、かこつけられがちな「秋」。なかでも代表的なのは「食欲の秋」だろう。
「実りの秋」ともいわれ、今さらながら秋には旬の食材が多い。一年のうちで食欲がもっとも増進する季節とされている。
しかし、エアコンをはじめ、季節感を忘却させるさまざまなテクノロジーに囲まれた現代人にとって、穀物や果物の収穫時期を意識する機会はあまりない。
「食欲の秋」は本当なのだろうか。しらべえ編集部では1,351人を対象に「食欲の秋」に対する意識調査を行なった。
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■一年のうち、もっとも食欲が増進するのはどの季節?
冒頭の疑問をあっさりと覆し、圧倒的大差で秋が一位になった。「食欲」の冠は伊達ではなく、およそ半数が秋に腹をすかせる結果となった。
冬眠まえに食物を採るクマほどではないが、人間も動物のはしくれ。食物の減少する冬の前に栄養を蓄えようとする本能がDNAに刻まれているらしい。
一方で、一年中お腹をすかせている季節感の喪失した日本人が3割近くいることも注目だ。
地球温暖化の影響で、わが国の四季は以前と変わりつつある。温暖化の影響は食欲にも及ぶものなのだろうか。
年代別では、全体的にどの年代でも大きな差が見られない中、30代の結果が特徴的だった。ほかの年代に比べて秋と答えた割合が低く、一年中の割合が高い。
偶然かもしれないが、今の30代はロストジェネレーション世代(氷河期世代)と大きく重なっている。働き口への飢餓感が食欲を刺激して、恒常的な空腹につながったのだろうか。
30代は季節感さえも喪失してしまったのかもしれない。
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■生活の満足度別に調査
続いて、日頃の生活の「幸福度」に着目して、家族関係満足度別に集計したところ、不満度が高くなるにつれて秋の割合が減少し、一年中の割合が高くなっている。
人間関係が充足されることで、なぜ秋に食欲が増進するのかは見当もつかない。
しかし、人間関係への不満が食欲を刺激することは、「ストレス太り」なる言葉があることでも頷ける。
さらに、人間関係以外の「満足度」にも目を向けてみよう。
人間関係の不満と同様に、不満が高まるに連れ、一年中と答えた人の割合が高くなる。ストレス太りにとって、ストレス要因の種類は無関係のようだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・中山)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年9月23日~2016年9月26日
対象:全国20代~60代の男女1351名(有効回答数)