育児にいちいち口出ししてくる夫にどう対処すればいいか
■意識高い系パパへの切り返し
パパスイッチが入ったとたんに、育児書や育児雑誌を読みあさり、インターネットで最新の情報もチェックして、にわか知識をひけらかしたりするパパもいます。最初は頼もしいし、うれしいのですけれど、それだけでは終わりません。
恐れ多くも、ママがちょっと手を抜いたところを非難したり、ママのやり方を否定したりなんて暴挙にまでおよぶことがあります。ママとしては面白くありませんよね。
そんなときどう切り返すのがいいでしょうか。
①「じゃ、自分でやりなさいよ!」とキレてみる
②「あ、ごめん。どうすればいいの?」とお伺いをたてる
③「言いたいことはわかるけど、その言い方はないんじゃない」と伝える
①のように「じゃ、自分でやりなさいよ!」とか「ウザイ!」などと言い返してしまうと、ガチンコのにらみ合いになってしまいます。
②のようにパパをたてるのはその場を穏便にすませるという意味ではありですが、それをくり返しているとますます調子に乗ります。しまいには「いい加減にして!」ということになりかねません。
パパとサステナブルに良好な関係を保ちたいならば、③のように「言いたいことはわかったけど、そういう言い方をされると傷つくな」とか、「そうやって否定されるような言い方をされると、自信がなくなっちゃうな」などと、言われたことはいったん受け止めつつ、「言い方」に焦点を当てて自分の気持ちを伝えるのがコツです。
「言い方」に焦点が当たっていれば、パパも反論されたとは思わず、指摘を冷静に受け止めることができます。そのうえで、意見の食い違いについて話し合うというのが大人同士のコミュニケーションです。
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■夫婦の育児は違ってナンボ
では、ふたりの意見が完全に食い違うとき、どうしたらいいのでしょうか。
結論から言います。ほっとけばいいんです。
「ママの育児とパパの育児は違ってナンボ」です。お互いに、相手が自分と同じような価値観で同じように子どもと接してくれることを期待してはいけません。代わりに、それぞれのやり方を認め合えばいいのです。
よく「子育てに対する夫婦の価値観はそろえておかないと子どもが混乱する」という人もいますけど、本当にそうですかね。疑問です。どんなに息のピッタリあった夫婦でも、もともと赤の他人の二人の価値観がぴったり揃うというのはあり得ません。
方向性は揃うと思います。「あそこを目指そう」みたいな。でも、どうやってそこまでたどり着くかは、それぞれ違う手段を選んだりするものです。どうしても何かを決めなければいけないときには、分野によって最終判断担当を決めておくことがおすすめです。
食事に関してはママ、ファッションに関してはパパとか。担当分野を先に決めておくんですね。ときどき入れ替えてもいいと思います。最終判断をする前に、相手の反対意見も十分に聞き、それを十分に考慮したうえで、最終判断責任者が判断します。
夫婦の間でも価値観の幅があり、長所短所を補いあえるからこそ、子どもの中に新しい価値観が生まれます。夫婦が全く同じ価値観をもっていたら、その子は夫婦共通の価値観をそのまま引き継いだただのコピーロボットになってしまいますよね。夫婦の考え方や手法が違うことが、子どもの可能性を広げる幅になるのです。
※この記事は全国のFMラジオネットワークJFNの「OH! HAPPY MORNING」のコラボ企画です。記事の更新は隔週木曜日10:30am。記事更新の約10分前から、おおたとしまさがこのラジオで記事と同様の話をおしゃべりします。
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(文/おおたとしまさ)