イスラムをどれだけ知ってる?今読んでおきたい「となりのイスラム」
「イスラム」と聞くと、あなたはどんなイメージを持つだろうか?
大半の人はあらゆるメディアで騒がれている「イスラム国」を思い浮かべるかもしれない。あるいは「9・11」を思い出す人も多いだろう。
イラク軍が「イスラム国」が支配する都市・モスルの奪還作戦を始めたこともニュースを毎日観ている人ならご存知だと思う。
画像をもっと見る
■イスラム教徒が極端に少ない日本
日本に住むイスラム教徒は人口の0.1%ほどともいわれている。イスラム教徒は一体どんな人たちなのかを知っている日本人は少ないと考えられる。
しかし世界の人口の4分の1はイスラム教徒である。だからこそ、日本人=我々は、メディアを通じて知ってしまった「イスラム」の持つイメージだけで彼らを恐ろしいもの、テロリストの国、と感じてしまうのだ。
果たしてそれは正しいのだろうか? 本当の「イスラム」の人々とは、どんな宗教を敬ってどんな風習を持ち、どんな文化をつくっているのだろう?
そんな疑問を解決してくれるのがこの本。
関連記事:漫画原作ドラマに注目『逃げるは恥だが役に立つ』が世の中に物申す
■となりのイスラム/内藤正典・著 ミシマ社・刊
多くのイスラム教徒と親交を持つ著者ならではの切り口で、誤解されがちである彼らについて、あらゆる方面からアプローチをしている本である。
読者に語りかけるようにイスラムの人々の本質から日本人が彼らに思う素朴な疑問への答えまで書かれた一冊だ。
テロや戦争を起こさないために・彼らと共存するためにを提案しながら「本当のことを知らないからこそ恐ろしいと勘違いしてしまう」イメージを取り払うように促してくれる。
いつまでもメディアに多く登場する西洋的な価値観を啓蒙していては、たとえ「イスラム国」のようなテロ組織が滅んでも、また同じ道を繰り返してしまうだろう。
そうならないためにも、たまには他人に目を向けて何が正しいのか見極める能力を身につけておきたい。
・あわせて読みたい→外国人が疑問「顔まで覆う服装のイスラム女性はどのようにお互いを識別するの?」
(文/芥川 奈於)