どうして怒ってるの?やっぱり存在する「怒ることが好きな人」

2016/11/07 10:00

deeepblue/iStock/Thinkstock
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「よく怒る人」が、たまにいる。

他人から見れば些細なことでも、いちいち取り上げて怒り出す人がどこの企業にも存在するのではないか。そういう人物が下手に役職を持っていたら、末端の者はたまったものではない。

もしかしたら、この人が怒るのは個人的な趣味ではなかろうか? そう考えてしまうことすら多々あるはずだ。



 

■全体の10%弱が…

では、本当に「個人的趣味」という理由でよく怒る人はいるのだろうか?

しらべぇ編集部では、「怒ることが好きか?」調査を取った。

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「はい」と答えたのは、全体の8.7%。これは「怒ることが好き」な自覚のある人の割合だから、そうでない人も含めるとパーセンテージはさらに増えるかもしれない。

いずれにせよ、「好きで怒る人」は確かにいるのだ。


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■些細なことで怒る理由

よく考えてみれば、「怒ること」は非常に難しい。

怒るにはその対象が必要だ。だが、たとえば「エリトリアの人権弾圧について」について怒ることのできる日本人はどれだけいるのか? 人間、怒るための対象が自分自身に関わりがなければ怒れないものだ。

だからこそ、よく怒る人は必死で「怒る対象」を探している。「どうして些細なことで怒るのか」ではなく、「スケールの大きい事柄では怒りづらい」のだろう。身の丈サイズの対象であったほうが、自由自在に振り回せる。


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■「怒る人」より「怒らない人」が怖い

だが、「よく怒る人」よりも「まったく怒らない人」のほうがじつは怖い。

どんなことをしても、いかなる非礼を浴びせても絶対に怒らない。たまに応戦の素振りを見せても、まったく迫力がない。そういうタイプの人物は、周囲からナメられやすい。「あいつはいじめ甲斐がある」と見なされるのだ。


歴史上の人物を例に挙げれば、幕末の大老井伊直弼がそれだ。彼は近江彦根藩主の息子だが、14番目の男子でしかも庶子。生まれた時から部屋住み、敢えて悪く言えば穀潰しとして生きることが決まっていた。

そんな直弼の生活は、周囲から見れば「ただ道楽に耽っている」ようにしか見えなかった。だから彼は「チャカポン(茶、歌、鼓)」と呼ばれ、笑われていたのだ。

ところが、上の兄たちがみんな早逝するか他家の養子になるかで、結局は直弼に彦根藩主の座が回ってきた。そしてそれを足場に、最終的には大老にまで上り詰めた。


直弼の政治姿勢は、まさに「妥協を許さない」。反対意見を持つ者、「危険分子」と見なした者は次々に粛清した。

豊臣秀吉もそうだったが、非礼を浴びた時の怒りをその場で発散せずに溜め込むタイプの人間はあとが怖い。権力を握った途端、鬼のような強権的政治家になりやすいのだ。

その理屈を知れば、「よく怒る人」を恐れる必要は決してないことが分かる。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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