ブームからの定着か?オワコンか? ゆるキャラの今・後編

2016/11/09 06:30


画像はYouTube Nyango Star にゃんごすたーチャンネルのスクリーンショット
(画像はYouTube Nyango Star にゃんごすたーチャンネルのスクリーンショット)

地域に長く愛されるゆるキャラと、消え行くゆるキャラについて紹介した、ゆるキャラの今・中編

今回は「昨今のゆるキャラ界の変化」と「ゆるキャラの“これから”」について、ゆるキャラ研究家でキャラクターコンサルタントの犬山秋彦氏に話を聞いた。



■企業キャラクターの参入

かつて「ゆるキャラ」というと、地域のPRを目的とした「ご当地キャラ」を指すキーワードとして考えられていたが、そうした縛りは薄れているという。

犬山:もともと存在した企業キャラが「ゆるキャラグランプリ」に参加して、ランキングをにぎわせつつあるのも、ここ数年の傾向かもしれません。


今年のグランプリで「企業・その他部門」のTOP3に入った、「りそにゃ」と「こんのすけ」の間で、Twitterの発言を発端として起きた炎上騒動も、一部で話題になりました。


ゆるキャラファンの間では、企業キャラの流入を問題視する人もいますが、僕個人としては、活気が出てよい傾向かと思っています。


グランプリにおける、企業による組織票も今に始まったことではなく、スタート当初からずーっとあったことですから。


関連記事:イジリー岡田、『ギルガメ』で定着したエロキャラに苦悩 「高速ベロ封印で8年仕事なし」

■ブームでなく文化へ

企業キャラの参加や一部のトラブルも、多様性のひとつと考えることは可能だ。

犬山:テレビなどが積極的に取り上げなくなっただけで、すでに「ゆるキャラ」はブームというより、文化として定着しています。


一定数のファンが存在して、各キャラが地元で地道に活動している限り、今後もファンは増えていくことでしょう。ゆるキャラ自体が地方発の文化で、その地方に埋もれていた活動が、みうらじゅんさんによって、スポットライトをあてられたものですし。


僕がやっているスパンキーも、人気キャラのふなっしーも、元はといえばおもしろ半分で始めた個人のキャラクターです。おかしなキャラも出てきていますが、それはそれで多様性の中から、新たなおもしろいキャラが現れる、予兆なのかもしれません。


確かに最近も、「ゆるキャラなのに、演奏がゆるくない!」と評判の青森県黒石市のゆるキャラドラマー「にゃんごすたー」といった、テクニックの高い個性派も登場している。

消えるキャラもいる中で、新たな話題を提供するキャラが出てくる――その「層の厚さ」も、ゆるキャラが文化として定着した証拠なのかもしれない。

・合わせて読みたい→ブームからの定着か?オワコンか? ゆるキャラの今・前編

・参考:『ゆるキャラ論』(ボイジャー)

(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ

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