大阪・西成の「50円自販機」はなぜ激安なのか現地調査
大阪市西成区にある「あいりん地区」。日本最大の「ドヤ街」と言われる、日雇い労働者が多いエリアだ。
路上生活者や生活保護受給者も多く、行政や福祉団体などが支援を行なっている。
しらべぇ編集部は、以前もあいりん地区を取材し、「100円お好み焼き」の店を紹介した。しかし、このエリアで安いのは食べ物だけではない。
一般的には大手メーカーの飲料自販機は価格が全国一律だが、ここには「50円自販機」が数多く見られる。
見慣れないブランドの商品が多いが、中には大手メーカーの商品も。
どの自販機も「安さ」を前面に押し出してアピールしている。
もちろん「一般的な価格」で売られている自販機もあり、格安自販機とそれらが隣り合って置かれている場合も。
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■なぜここまで安いのか
通常の半額ほどの価格にできるのは、どのような秘密があるのか。何本か購入して検証してみたところ…
たとえば、ある大手メーカーの製品は、賞味期限まであと1ヶ月ほど。
また別のメーカーの製品でも、賞味期限は2ヶ月となっている。試しに飲んでみたが、期限内なので味にはまったく問題がなく、違和感も覚えなかった。
コンビニなどで同様の商品の賞味期限を確認するとおよそ1年ほどなので、「賞味期限が近くなった商品が安値で流通し、格安自販機で売られている」という可能性がある。
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■マイナーブランドでは賞味期限が長いものも
しかし、大手メーカー製品以外の飲料を買ってみると、まだ1年近い賞味期限が表記。
こうした商品は、海外から輸入されたコーラや地元・大阪のメーカー『サンガリア』のものに多く見られた。
サンガリアは、『みっくちゅじゅーちゅ』など個性的な飲料や低価格で知られている。
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■「結果としての福祉」に
今回の調査では、「賞味期限切れ」のような商品はひとつも目にしなかった。
法律の範囲で期限が近づいた商品が安く流通し、求める人たちに届くのは、結果として福祉に資していると言えるのではないだろうか。
また、大手メーカーの自販機に入らない格安商品をひとつの自販機にまとめるのも、需要と供給から見て適切な戦略だ。
なお、こうした格安自販機は、あいりん地区だけではなく通天閣や天王寺動物園など観光客が多いエリアでも見られた。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)