認知症男性の「運転卒業式」ツイートに賞賛殺到 「参考になる」の声も

社会

2016/11/14 17:30

高齢者による、自動車の運転事故が相次いでいる。

12日には東京都立川市の国立病院機構災害医療センター内で歩行者2人がはねられ死亡。翌日には小金井市で、横断歩道を渡っていた60代の女性がはねられ死亡したが、いずれも80代の運転する自動車による事故だった。

先週、このような事故が相次いだこともあり、注目を集めている高齢者による運転の是非。そんな状況下において、とあるツイートが大きな注目を集めている。


 

■認知症男性に「運転卒業式」を

ツイッターユーザーのsatomi inoueさん(@satomiot)が投稿したツイート。認知症になった男性に対し、家族が「運転卒業式」を行なうというもので、感謝状の授与や記念品贈呈、記念撮影などかなり本格的。

車がなくなった駐車場には近隣住民との歓談用ベンチまで用意したそうで、認知症の進行速度も緩和できそうな心遣いだ。また、男性が「俺の車どうした?」と妻に聞くと、記念写真を見せて納得。

本人としても、奪われたという気持ちはまったくないようだ。

なんという、温かな家族の思いやりだろうか。このツイートは大いに拡散され、「参考になる」など賞賛の声が集まっている。


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■車が必要ないインフラ整備も大事だが…

しかし、この男性の場合、「側で支えてくれる心優しい家族がいる」という意味では、比較的恵まれていると言えそうだ。

高齢者の免許返納制度は、自治体の取り組みなどもあって増加傾向にはあるが、浸透しているとは言い難い。

その理由はさまざまだが、たとえば「生活の足が失われる」「バスで移動したくても廃止されてなくなってしまった」「ひとり暮らしで足も不自由」などの問題がある。

本人が望んで自動車を運転しているケースだけでなく、仕方なく運転しているというケースもあり得るのだ。

そういう意味では高齢者に優しいバスを中心としたインフラの整備は欠かせない。しかし、それを叶えるのは税金であり、他世代に負担を強いることになる。

このように、「高齢者による運転事故」は、個人的な過失という見方だけでなく、もっとマクロな視点で議論されるべき問題なのだ。


■個人の能力差も影響? 60代の本音は

また、運転継続が可能かどうかは個人の能力に大きく関わる問題であり、年齢によって制限するかどうかも、慎重な議論が必要だ。

認知症をはじめとする、持病の有無も判断のポイントだろう。

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しらべぇの調査でも、「65歳を過ぎたら運転はすべきではないと思う?」という問いに対し、60代以降のみが20%を下回る回答となっている。

「自分はまだ大丈夫」と思っている人が多いということだろうか?

非常に難しい問題ではあるが、間違いないのは事故に遭った人も、事故を起こした高齢者も、ともに不幸になるということ。

過失運転致死で逮捕されるというのは、今まで頑張って生きてきた人生の先輩にふさわしい内容の贈り物でもない。

ミクロでもマクロな視点でも、議論していくべき問題だろう。

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(文/しらべぇ編集部・クレソン佐藤

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo 
調査期間:2016年8月26日~2016年8月29日
 
対象:全国20~60代の男女1368名(有効回答数)