算数・数学が得意な子供にする作戦【溜池ゴローの子育てコラム】

2016/11/16 20:30


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ワシは、大学生時代にアルバイトで、「の講師」をやっていた。

「塾」と言っても、進学塾ではなく、そこそこ落ちこぼれかけている中学生を対象にした「補習塾」というところである。そこで、中1〜中3の生徒に数学と英語を教えていた。

「そこそこ落ちこぼれかけている中学生」というのは、これが結構厄介なもんで、当然自分から好きこのんで「塾」などというものに通っているわけがない。

「心配した親に通わされている」か「友達が行ってるからなんとなく通ってる」のどちらかの生徒がほとんどである。

よって、授業中は、集中力がないのは当たり前で、お喋りする生徒もいれば、全く内容がわからずにポカンとしている生徒もいる。



■「数学」理解の差は大きい

ワシもまだ20歳やそこらだったので、そういった生徒たちにはある意味「力づく」で対処していた。

といっても暴力を振るっていたわけではない。無理矢理にでも黙らせて、無理矢理にでも授業内容を理解させていた……

これは、あくまでもワシが講師をやっていた補習塾のことに関してなので、他の補習塾がみんなこういうわけではないので、塾関係者の方はお気を悪くしないように。

ただ、「数学」に関していえば、同じ落ちこぼれかけている生徒たちに、同じように力づくで教えているのだが、「理解できる生徒」と、「理解できない生徒」が自然と分かれてくる。

とくに、中1と中2の生徒たちに関してはこれが顕著だ。

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それはなぜか。

どんな教科にも言えることかもしれないが、特に、数学は「積み重ね」の科目だ。以前の学年で習ったことを理解していないと、今習っていることが理解できないようになっている。

つまり、今教えていることを「理解できる生徒」は、以前の学年で習ったことが「理解できている」または「もう一度復習して今理解した」生徒で、「理解できない生徒」は、以前の学年で習ったことが「理解できていない」生徒ということだ。


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■中3になるまでが勝負

なので、中1の生徒に関しては、小学校の算数(掛け算、割り算、少数・分数の計算など)で理解できていない箇所からもう一度やり直せばいいだけのことである。

しかし、これが中3にもなると、生徒によっては引き返す箇所があまりにも遠く、中3の数学どころではなくなってしまう。

しかも、中3から数学のレベルが一気に上がるので、中3になるまでにそれまでの算数・数学は確実に理解しておかないと大変な状況になってしまうのだ。

ワシが勝手に感じていることかもしれないが、「数学のレベル」は、その難易度から……

「小学校1年生〜小学校4年生」

「小学校5年生〜中学校2年生」

「中学校3年生〜高校数学」

……という3つのレベルに分けて考える必要がある。

なので、「子供が算数・数学で落ちこぼれないため」には……

「各レベルの学年になる前に、その前段階4年分の算数・数学を理解しておく」

……ことが必須である。そして、このことから逆算して考えると、「算数・数学が得意な子供になる作戦」を見つけることができるはずだ。


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■「先取り学習」が有効

ワシの考える「算数・数学が得意な子供になる作戦」とは……

「各レベルの最初の学年」が終わるまでに、「そのレベルの範囲を全て」先行して教えておく。

……という方法だ。

たとえば、小学校1年生の終わりか2年生の夏くらいまでに、小学校4年生の算数までは一通り教えておくのだ。そして、2年生の夏くらいからは、小学校5年生の数学に取りかかり進ませる。

小学校5年生の終わりか6年生の夏くらいまでに、中学校2年生までの数学は一通り教えておく。そして、6年生の夏くらいからは、中学校3年生の数学に取り掛かる……こんな感じである。

ワシも息子に対しては、小学校に上がる前から、ちょっとずつ算数を教え出した。そして、小学校2年生の途中くらいで、4年生までの範囲を一通り教えた。なので、息子にとって学校で受ける算数の授業は復習になっているので、理解がより深まるらしい。

ちなみに、ワシの息子の学校は、5年生の時から算数の授業はレベル別に行なっているのだが、息子は塾に通っていなくても、ずっと一番上のクラスで楽しく算数の授業を受けている。

「子供に先行させて算数を楽しく教えていく」ことが算数得意な子供に育てるには重要なことであるというのは、ご理解いただけたかと思う。


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■教えるのは誰の役目?

では、一体「誰が教えるべきか」という問題だが……ワシは、親が教えるのが一番だと思っている。

もちろん、親が教えられる範囲は限られているだろうから、親のできる範囲まで教えたら、塾や数学の教育システムを見つけてバトンタッチすればいい。

今、ワシの息子は小学校6年生で、中学校2〜3年生の数学の範囲をワシも教えているが、最近、数学の塾にも通うようになった。

普通の受験塾ではなく、学年関係なく中学校の数学を先行してドンドン教えてくれる塾なのだが、ワシの力では高校数学までは教えられないので、そちらの塾の力をお借りすることにしたというわけである。

ワシは思う……

「各科目の習得段階は、学校の基準に合わせる必要はない」

……と。

例えば、陸上競技での「フライング」は失格になってしまうが、勉強や学習での「フライング」は大いにすべきだ。

ということで、今回は以上である。

・あわせて読みたい→勉強と運動のできる子供の育て方【溜池ゴローの子育てコラム】

(文/溜池ゴロー

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