「耐震強度不足」の名古屋城天守閣、木造再建実現なるか

2016/11/23 17:30

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名古屋城は、言わずもがな大都市名古屋のシンボルである。

だが、その天守閣はオリジナルではない。戦時中、アメリカ軍の空襲によりオリジナル天守閣は灰燼と化した。今あるのは戦後建設された鉄筋コンクリート製だ。

だが、そんな名古屋城天守閣が一騒動を呼んでいる。



 

■看板に来場者困惑

現在の名古屋城天守閣が建てられたのは1959年。それから60年近くの時が過ぎ、この建物には老朽化の足音が忍び寄っている。

先日、名古屋城に天守閣の耐震強度低下を周知する看板が設置された。だがこれは、来場者を困惑させてしまったようだ。木造再建を目指している河村たかし市長の思惑ではないかという見方もある。

ひとつ言えるのは、現天守閣が「危険な建物」になりつつある点はあまり議論がない。高度成長期時代は「最先端技術」ともてはやされてきた鉄筋コンクリート建築だが、半世紀が過ぎた今「鉄筋コンクリの意外な短寿命」が明らかになった。


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■木造のほうがより頑丈

「木造より鉄筋コンクリのほうが頑丈」というのは、もはや過去の知識になりつつある。

木造建築物は、職人の腕にもよるが恐ろしく寿命が長い場合が多々ある。京都・奈良の寺社仏閣が数百年の風雨に耐えていることが、その証明だ。

鳥取県の三徳山にある投入堂は、12世紀にはすでに完成していたもの。つまり900年という長い時間をそこで過ごしているわけだが、投入堂は先日の鳥取地震でも微動だにしなかった。

もちろんこれは極端な例かもしれないが、それでも「木造建築物は強い」ことを見事に体現している。


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■反対意見も根強く

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ところが、名古屋城天守閣の木造再建案には今も反対意見がある。

あまりに費用がかかりすぎるのだ。それならばもっとコンパクトな歴史資料館を整備したほうがいい、という意見があがっている。

「日本にはもはや城を建てるだけの立派な木材はない」という声も。この意見をどう乗り越えていくかが、木造再建を目指す河村市長の今後の課題になるだろう。

名古屋市民にとって、より良い方向はどちらか。これからの模索が注目される。

・合わせて読みたい→江戸城も蘇るか? 全国各地で進む「天守閣再建計画」

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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